痛みと鎮痛における個人差の遺伝子メカニズ

池田和彦 痛みと鎮痛における個人差の遺伝子メカニズム 医学のあゆみ 2010;232(1):38-42

  • 鎮痛システムでは、エンドルフィンやエンケファリンなどのオピオイドペプチドとその受容体であるオピオイド受容体が重要な役割をはたしている。また、脳から脊髄に至る下行性鎮痛経路が同定されている。過度の痛みなどの強いストレスが生体に与えられると、この鎮痛システムが作動し、ストレス誘発鎮痛が現れる。
  • ゲノム科学の進展が著しい今日では痛みや鎮痛の個人差の遺伝要因が続々と明らかになってきている
    • ミューオピオイド受容体遺伝子、G蛋白活性型内向き整流性カリウム(GIRK)チャネル遺伝子
    • ルタオピオイド受容体、transient receptor potential (TRP)チャネル、カテコールメチルトランスフェラーゼ(catechol-O-methy-transferase:COMT),GTP シクロヒドラーゼ(GCH1), fatty acid amide hydrolase(FAAH),サイトカインなどの遺伝子多型