山田嘉明 痛みの心理学的評価 理学療法 2006;23(1):119-122
- 痛みの強度と質は、ほかのいかなる感覚よりももっと、その人の文化や期待や先行経験のような、非刺激性要因に影響をうける
- 非刺激性要因と心理社会的要因が痛みの感覚をいっそう複雑にしている
- 面接で取り上げるのが望ましい内容は、来院経緯、痛みの原因に対する患者の認識、痛みの発症とライフイベント、家庭生活社会生活の支障、痛みに対する周囲の反応、疾患に対する周囲の反応、疾患に対する補償の状況、痛みの器質的要因や心理社会的要因を問わず、痛みの訴えを受容すること
辻下守弘、小林和彦 痛みに対する行動療法 理学療法 2006;23(1):226-231
- 2002 Raine メタアナリシス 認知行動療法と行動療法が慢性腰痛ににたいして有意な治療効果をもつ
- 慢性腰痛 もともと病理学的要因によって発症した急性腰痛が、その治療経過が長くなることで心理社会的な要因の影響が強くなり、最終的に痛みが病理学的原因と切り離された訴えとして残ることが特徴
- 患者が訴える痛みには、「つらい」「助けて」「やさしくして」といったメッセージが含まれている
- 学習理論では、ある行動のあとに望ましい結果がえられると、その行動の頻度が高まる Fordyce 痛み行動
- 行動療法の目標は、痛み行動の出現をコントロールして、医療や他人に依存しない自立した生活能力を獲得させ、その人に相応しい社会的な役割へ復帰させること
- 問題となる不適切な行動を減らすだけでなく、その代わりとなる適切な行動を学習させる
- 現状では、行動療法が医師をはじめとする医療スタッフに十分理解されているとは言い難いことが最も大きな問題である