笠井裕一、竹上謙次、内田淳正 患者の性格と術後疼痛 整形外科 2002;53(4):469-472

  • 急性疼痛は生体防御のための警告信号としての意味合いが強いが、一方慢性疼痛は患者の固有の心理的社会的なものによって影響される
  • 腰椎椎間板ヘルニア手術例で、術後疼痛が持続し易い患者は、内向的で神経症的傾向がみられた
  • Maudsley性格テスト

笠井裕一、竹上謙次、内田淳正 脊椎患者における術前スクリーニングとしてのモーズレイ性格テストの有用性 臨整外 2004;39(4):589-593

  • モーズレイ性格テストMPI 80項目 内向外向性、神経症的傾向、虚偽発見の3つの尺度を10分程度で判定できる
  • 脊椎疾患で、心理的要素が強い患者では手術的治療をおこなっても改善が少ない
  • 術前に性格テストをおこなって術後成績を予測する試み MMPI minesota multiphasic personality inventoryはよくつかわれるが 550項目 45-75分かかる
  • MPIの感度は84.6%とそれほど高くないので、MPI以上があっても絶対手術をしないわけでない
  • L得点の高値者は注意 自己顕示的で、自分はこうあるべきだという理想像を強く持つ、doctor shopperやdistractfulが多い

笠井裕一、竹上謙次、内田淳正 脊椎疾患の手術患者における神経症的傾向 整形外科 2003;54(3):329-331

 
笠井裕一、荒木健太郎、竹上謙次、池田雄二、内田淳正 慢性疼痛患者の性格的特徴 骨関節靭帯 2003;16(8):829-834

  • 慢性疼痛の患者では、長期間痛み刺激にさらされているため、さまざまな心身相関反応を引き起こし、いわゆる心理的加重がみられ、治療や診断に際して心理社会的要素を十分に考慮にいれなくてはならない
  • 自己治癒力希薄型
    • E得点が低く、N得点が高い 内向的で神経症
    • 患者に小目標を与え、それが達成できたら褒める、という過程を粘り強く繰り返す、抗うつ剤抗不安剤
  • 自己治癒力空転型
    • 外向的で神経症的、激情型 doctor shopper,外来で最も注意すべき
    • 患者の痛みに関する訴えを丁寧に聴き、その痛みに共感した上で、患者のやる気を正しい方向に導く
  • 自己治癒力潜在型
    • 外向内向性が平均的で、神経症的傾向なし
    • 労災や交通事故による補償を切られたくないために、潜在している自己治癒力をわざとつかわない
    • 患者の社会的経済的立場をよく理解して、取り巻く環境を改善。仕事場の上司との面談やケースワーカーへの相談が有効