整形外科的アプローチの実際

村上孝徳 整形外科的アプローチの実際 調剤と情報 2011;17:167-170

  • 慢性疼痛とは「治療に要すると期待予想される時間の枠組みを超えて持続する痛み、あるいは進行性の非がん性疾患による痛み」と国際疼痛学会では定義している
  • 慢性腰痛患者のCMI,SF-36
    • CMI 対照群と比較して非特異的腰痛群では神経症的傾向を示す領域IIIもしくはIVに分類される症例が有意に多かった
    • SF-36 非特異的腰痛患者は疼痛のため身体能力が障害され、社会的や役割を十分に果たすことができず、かつ自己に対する評価が低い状態がうかがわれた
  • 近年、疼痛コントロールに関する中枢機序として、中脳辺縁系におけるドパミン機構が報告されている。運動療法は具体的な課題の達成感から前頭前野帯状回視床扁桃体もしくは海馬の活性を促し、褒められるなどの報酬により、腹側被蓋野;VTA-腹側線状体 ventral striatum/側坐核nucleus accumbensの活性化を促進することが可能と考えられる。運動療法は中脳辺縁系におけるドパミン機構の観点からも、疼痛管理において理にかなったアプローチである。