吾妻壮「難しい患者」とは Hopitalist 2016;4(4):788-790
- 精神力動的に、人間としての難しさは、精神内界的な難しさと対人関係的な難しさにわけて考えることができる
- 精神内界的な難しさ 心の働きの大きな偏りのこと
- 対人関係的な難しさ 人間関係の難しさ
- パーソナリティ障害
- 対人関係上の問題そのものを主訴とするような病をもっている患者
- 力動的には、人が抱える葛藤には、心の中の葛藤(精神内葛藤)と、心の外の葛藤(対人的葛藤)がある。多くのパーソナリティ障害患者は、心の中だけで葛藤を処理できず、こころの中の世界を対人関係のの場面で表現することにより解決しようとする。対人関係場面で怒りを露わにする患者は、心のなかに、怒り狂う人とそれに怯えている人というイメージ(表像)の対を抱えており、その二人の間の葛藤を自分だけで処理できないために、それを現実場面で表現せざるを得ないのである
- 境界性パーソナリティ障害
- 境界性パーソナリティ障害を疑う最初のきっかけは、良い意図で行ったことが悪意にとられることである場合が多い
- 力動的精神療法(転移焦点化精神療法)、弁証法的行動療法
- 深い精神病理をもった境界性パーソナリティ障害患者の治療を、その専門家以外が行うのは非現実的であると心得ておいたほうがよい
- 不定愁訴患者