岩下成人、野坂修一、福井聖 脳機能画像法でみる痛み 脳21 2014;17(2):232-237
- ある領域の神経活動の賦活には、抑制性の神経活動の亢進も含まれることの留意しなくてはならない
- Pain matriz
- Melzak 痛みの感覚的側面、情動的側面、評価的側面
- 健常ボランティアを対象とした研究
- 痛みに対する注意回避によって前頭前野、前帯状回、中脳水道灰白質に活性化
- 中脳水道灰白質 疼痛の抑制のみならず促進にも関与
- 前頭前野は中脳や大脳辺縁系と密接なネットワークを形成し、侵害刺激の制御を行うこと、いわゆるtop-downのシステム
- top-downのシステム プラセボ鎮痛に関与
- 慢性痛
- アロディニア 侵害刺激による脳内賦活領域が変調している可能性
- 対側の眼窩前頭前野に活性化が見られる
- 正常な皮膚に刺激を与えた際に活性化される一次体性感覚野や前帯状回で活性化を認めない
- アロディニアの改善がみられると、低下していた一次体性感覚野や二次体性感覚野の領域が活性化する
- 変調していた痛覚認知機能が生理的状態へ回復していく可能性
- 慢性痛 オピオイド伝達系の変調
- 内因性の疼痛抑制機能が破綻している可能性
- ドパミンの伝達機能が低下 報酬系の機能低下が病態の成立に関与している可能性
- 慢性痛 前頭前野、辺縁系の領域で灰白質密度が低下
- この現象は慢性痛の原因か結果か
- 症状が改善する群 背外側前頭前野の肥厚がみられ、臨床上の回復程度と相関
- 問題点
- pain matrix 痛み特異的に反応する領域ではなく、痛み以外のマルチモーダル刺激に反応する領域
- resting-state functional connectivity MRI