- P155 森本昌宏 トリガーポイントの理論
- trigger pointとは圧迫や針の刺入、加熱または冷却などによって関連域(reference zone)に関連痛(reference pain)を引き起こす体表上の部位と考えられる
- TPは筋肉のみならず、皮膚や瘢痕部、靱帯、腱、骨膜にも存在
- TPは単なる圧痛点ではなく、「trigger mechanismによって関連痛を引き起こす部位」である「患者が指摘する最も凝りの強い部位、ないしは痛みが存在する部位で、かつ圧迫により痛みが放散する部位」としてもよい
- TPの特徴
- 索状硬結
- その部位への刺激により症状が再現し、典型的な関連痛が生じる
- 刺激により立毛、発汗といった自律神経反応の出現をみる
- 局所単収縮反応(local twitch response)や逃避反応(jump sign)の発生
- 索状硬結のメカニズム 筋拘縮説、筋紡錘説、運動終板説、総合仮説
- TPの分類
- 一次的筋膜TP –活性TP,潜在的筋膜TP
- 関連筋幕TP – 随伴的TP、二次的筋膜TP
- MPSの発生機序を考えるならば、骨格筋やそれを取り巻く筋膜が過度の負荷(伸展などの)を受けると、この筋・筋膜を貫いている脊髄神経後枝が刺激され、反応性に運動神経、交感神経への下行性インパルスを生じ、筋肉の攣縮、痛みをもたらしていることになる。これらが交感神経系の興奮を招来し、viscious cycle of reflexesを形成するのである
- TPIの奏功機序としては、viscious cycle of reflexesを不活性化して局所の血流を改善し、筋緊張を和らげ、プロスタグランジンなどの炎症物質を希釈して洗い流すこと、さらに生体のホメオスタシスにより痛みの根本原因を治癒することなどが考えられている
- p181 一條智康 コンサルテーションリエゾンの実際
- 「痛みが消失すれば、ベストだが、、、すぐには難しい。痛みがゼロになることを目標にすると、毎日毎日「今日も痛くてだめだった」とがっかりすることの繰り返しになってしまい、なかなか前向きになれないと思う」
- 「大変だと思うが、なんとか痛みと上手に付き合いながら、活動範囲を広げていきましょう。すこしでも穏やかな時間を持てるように、充実したときを過ごせるようにやってみましょう。」
- 「共感的理解と受容」という治療関係が重要である