#6
- 朝鮮半島がすべて共産化したと仮定した場合には、日本の戦後民主主義(デモクラシーごっこ)が生き続けられたかどうかも疑わしい。
- 我々が見ないですまそうとした(そして、沖縄にだけは直視させてきた)事柄にほかならない。
- 敗戦の帰結としての政治経済軍事的な意味での直接的な対米従属構造が永続化される一方で、敗戦そのものを認識において巧みに隠ぺいする(否認)という日本人の大部分の歴史認識、歴史的意識が変化していない
- 敗戦を否認しているがゆえに、際限ない対米従属を続けなければならず、深い対米従属を続けている限り、敗戦を否認し続けることができる
- ポツダム宣言第八条
- 敗戦の帰結として日本は、基本的に日清戦争以降に獲得した領土をすべて失うことになる
- 尖閣諸島もその中に含まれるところの沖縄は日清戦争以前の琉球処分によって近代日本国家に編入されている
- カイロ宣言 1943 中国東北、台湾、証拠群島など日本が窃取した領土は中国に返還させる
- 1952 サンフランシスコ講和条約(中国は代表派遣を拒否されている) 尖閣諸島は我が国が放棄した領土のうちには含まれない
- 1884 日本の民間人が尖閣諸島の開拓許可を申請 外務卿井上馨が清国を刺激しかねないとして拒否。これは外務省の公式見解と異なる
- 琉球処分(尖閣を含む沖縄) 1885/1/14 日清戦争中に領土に組み込まれた
- 実効支配している側は領土問題そのものを認めない。国際司法裁判所に問題を委ねるのならば、日本側に有利な裁定が下る保証は全くない。棚上げという解決なき解決は弱腰どころか日本にとって有利な状態を持続させることに貢献してきた
- 北方領土
- サンフランシスコ講和条約 千島列島およびポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部これに近接する諸島に対する全ての権利を放棄 南樺太は日露戦争の結果として得たものだが、千島列島は1874年に樺太千島交換条約によって平和裡に編入 千島列島は日清戦争後に獲得の原則に反するが、吉田政権はこの条文を呑んだ
- 1956日ソ共同声明 戦争の結果として出来上がった状態にたいしてお互いとやかく言わない
- ダレスの恫喝 重光外相に対して、この条件に基づいて日ソ平和条約締結に突き進むのならば、沖縄を永久に返さないぞ
- サンフランシスコ講和条約においてほかならぬ米国が千島列島の放棄を日本に強いておきながら、あとになってその放棄を盾にとって、お前のもっていないものを他人に譲ることはできないと迫った
- 介入の意図
- 北方領土問題が日ソで解決することを妨げ、日本に非難の目がアメリカの沖縄占領に向かないようにする
- 日本にソ連に対する強い敵意を持ちつづけさせ、日本がソ連の友好国になったり、また中立政策をとったりすることなく、同盟国としてアメリカの側にとどませる
- 日ソ共同宣言の平和条約締結に踏み切るならば、変換されるのは歯舞、色丹の2島に過ぎないのであるか、沖縄をとるか歯舞色丹をとるかという選択
- サンフランシスコ講和条約において日本が放棄した領土に竹島は含まれない
- 講和条約への代表派遣を封じられた韓国 1952 李承晩ラインを宣言し竹島をその中に入れる 1954 実効支配
- 1965 日韓基本条約に竹島の記載なし
- 竹島は第2次世界大戦から切り離されて行われた軍事行動によって現在の事実上の境界線が定められた
- 1905/1 閣議決定により竹島日本領土化
- 北朝鮮問題 最重要課題が核兵器とミサイル開発より拉致問題が上になっている
- 平壌宣言以後に日朝国交正常化から拉致問題へ変更された
- TPPの標的 関税ではなく、非関税障壁と呼ばれるものにほかならない。つまり、それは、各国独自の商習慣であったり、独自の安全基準、独自の税制規制、独自の製品規格といった事柄
- 戦前のレジームの根幹が天皇制であったとすれば、戦後レジームの根幹は永続敗戦である。永続敗戦とは、戦後の国体であるといってよい
- マルクス 歴史は反復する、一度目は喜劇として、2度めは茶番として
- 偉大な出来事は二度繰り返されることによってはじめて、その意味が理解される
- 降伏の決断は、より多くの国民の生命を守ることを意図したものなどでは、さらさらなかった。それではなぜ本土決戦が回避されたのか。複数の証拠が示す所によれば、これ以上の戦争永続、本土決戦の実行は、国体護持を内外から危険にさらすことになるという推測ことが、戦争終結の決断をもたらしてものにほかんらなかった。
- ドイツは本土決戦を実行し、最終的には総統は自爆、政府そのものが粉々に砕け散って消滅するというかたちで戦争を終えた。日本に置き換えたら、それは国体そのものの消失である
- われわれの失ったもの、一言で言えば革命
- 仮に本土決戦が決定されていたならば、さらなる原子爆弾の投下が行われ、天皇は皇居もろもろとも消滅したかもしれない
- 河原宏 日本人が体験し損なったのは、各人が自らの命にかけても護るべきものを見出し、そのために戦うと自主的に決めること、同様に個人が自己の命をかけても戦わないと自主的に決意することの意味を体験することだった。こ近衛らが、革命よりも敗戦がましという形で、なんとしても避けようとした革命とは、究極のところ各人が自主的決意と判断によって行動するに至る状況のことだったのではないか
- ガンジー
- あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである
#7
- 明確な善意と悪意のぶつかり合いならば目指すべき道筋は見えやすい。しかし、そうでなく、善意同士のぶつかり合いに走った分断線を上手く繋ぐ方法を私達はまだ持ち合わせていない
- 端的に言えば現在の善意の分断の背景にあるのは、「一つの解がない。にもかかわらず一つの解を求める志向」あるいは「科学的合理性に基づいた複数の解が並立している状況への認識不足」。これを私は近代化の進展の中で現れた、再宗教化とよべる社会現象として捉えている
- 私達は、その「一つの解を志向する科学」や「それによって作らられる良き社会」という前提自体が一つのフィクションに過ぎないことに気づきつつある
- 社会の善意の分断を再度つなぎ合わせるために今求められるのは、自らの考えが唯一最上のものではないことを自覚し、社会に複数の信心が存在する状況を認め、その前提で議論を進めることだ。自らの考えに合わぬものを、蔑み罵り責任をなすりつける宗教紛争の先には、善意の分断の中で現状の課題が忘却され、坦々と維持される未来があるだけだ
- 事実として「こうである」ということと、自らの信念として「こうあるべき」と思うことを混同してはならない
- 自分たちが声をあげられる、あるいは自分たちの知識と正しさをひけらかせる機をみつける毎に中途半端に食らいついて安直な希望を語ってみせ、興味がなくなると忘却する。まさに後出しジャンケン性そのものを基盤にしたある種の渡り歩きのデモンストレーションの中で、主要な課題が放置さらたまま今日に至ってしまった。それこそが近代そのものであった。
- 敗戦後論 加藤典展 ちくま文庫
- 現地に暮らす人々の声、リアリティを無視した形で、知識人と言われる人たちまでもが、原発推進か反対か、安全か危険かといった二項対立の中で議論している。この構造で問題が整理されていくことが、実は問題をより根深くしてしまう。単純な二項対立の議論で切り捨てられる現場の声、リアリティをきっちりみていかないと、本質に迫ることはできません。
- 流布している議論は概ね、専門家が他人ごととして、従属化されているひとを善意の目線で分析する枠組みにとどまっている。しかも、その善意の目線が孕む暴力性に非常に鈍感です。
- 福島を、あるときは都合のいいように他者表象し、またある時な自分のきれいに化粧した善意の顔を映す鏡にして気持ちよくなるのに利用する。311以前には自分自身であったはずの東電や政権を、あたかも他者であるかのように急に叩き、スケープゴートにするというねじれた構造のなかで、問題が論じられている
- 角田光代 空中庭園
#8
- 知行合一 知ることと行うことは同一で、両者に違いはない
- ハーバード大学 マイケル・ポーター 戦略の本質とは、何を捨てるかの決断である
- 土地の整備 ブルドーザーの出現まではブル(牛)がやっていた。それが新しい機械の出現で牛のすることがなくなり、居眠り(ドーズ)するようになったので、ブルドーザと命名
- コムトラックス GPS,エンジンコントローラー、ポンプコントローラからの情報を通信機能をつかってデータセンターにおくる仕組み
- 機械の稼動状態から先行きを予測
- 企業のコスト、固定費と変動費 根本の原因は固定費
- 改革の原則 大手術は一回限り
- 社内向け業務を思い切ってアウトソーシング
- リーマン・ショック 需要が消失
- ダンプの無人走行システム
- ハイブリッド建機 バッテリーの代わりに回収した伝記を効率よく貯めこむ、キャパシタという装置をくみこむ
- 1.5倍の価格になるが、燃料費が抑えられる
- コマツの事業責任者や子会社のトップはそれぞれ毎月一回フラッシュレポートを社長に提出 バッドニュースを一番上に書かせた
- リスクの先送りをしない
- 日本の弱み 部分最適が横行しやすい。全体最適を進めるには、必ず犠牲が伴う。全体最適はトップにしかできないこと。
- 業務の合理化と固定費の削減が最優先課題
- 批判するばかりの傍観者でなく、当事者になろう
- 先進国の中で、最も正社員が守られ、持っとも非正規社員が守られていない国が日本であることを忘れていないか
#9
- 2008 11 リーマン・ショック ポンド円の為替相場一年で半分 ロンドン 質素なくらしに目覚めた
- 2009 スペイン 不動産バブル崩壊
- ギリシャ ユーロ危機 ごみ処理されず、地下鉄動かず
- 世界の債務不履行国のリストあり
- 日本 1946-52 国内債務
- ソ連 1989 財政赤字 債券市場がないので紙幣の増刷で補う ルーブルの信頼性低下
- 朝100円のパンが夕方500円
- ダーチャ 家庭菜園付きの別荘で凌ぐ
- 1991/1/22 50/100ルーブル紙幣を無効とし、向こう3ヶ月に限り一人1000ルーブルまで少額紙幣または新紙幣に交換できるという大統領令
- 1992年のインフレ率2510%
- 1991から95年の五年間で物価は4000倍 預金は紙切れ同然となる
- 1998/1 旧1000ルーブル紙幣を新1ルーブル紙幣に交換するデノミ
- 1998/8 対外債務支払い猶予 デフォールト 政府は国外への資金流出を防ぐため預金封鎖
- 1997アジア通貨危機 タイ、マレーシア、韓国 IMFの支援を受け入れる
- マレーシア ヘッジファンド(アメリカ)が破綻に導いたのに、支援もIMF(アメリカ)なので、おかしいと異を唱えた
- 1998/8 ロシア財政危機 1999/1 ブラジル通貨危機
- 韓国 リストラと倒産の嵐 国は救ってくれないので、英語力を身につけ国外へ活路
- アルゼンチン 10年に一度破綻 1982,1989(年率900%ハイパーインフレ),2001(大統領がヘリコプターで逃げる 実質資産価値8割減)
- 2001/1 銀行からの引き出し 週250ドルと制限
- 2001/12/24 政府が発行したサムライ債デフォルト
- 失業率50% 輸入品が入ってこない 医薬品不足手術できない 都市部で治安悪化
- 多くの人が田舎へ疎開 優秀な人は国外へ
- 実質一ドル3ペソが新ルールで一ドル2ペソ 実施30%の資産没収
- ドルとペソの2つで貯蓄が常識 月一万ドルまで国外へ出せるので、ウルグアイに9900ドル毎月運んで預金
- スペイン 不動産バブル崩壊
- バルセロナを州都とするカタルーニャは、マドリード=スペイン政府を敵とみなす
- カタルーニャ独立運動
- ヨーロッパ 北欧と南欧の覇権争い
- キプロス 南北分断 ギリシャ系、トルコ系 南側のキプロス共和国がEU加盟 トルコを除く193カ国が承認 ロシア 富裕層のハワイ 10万ユーロ以上の預金は没収 資産没収
- ベルアウト 第3者からの財政的な緊急支援で破綻危機から救済
- ベイルイン 内部から救済 預金者からすれば事実上の資産没収
- デトロイト 生き残ったのは移動できた人
- 2014年に表面化しただけでも政府債務残高は1800兆円
- 1882 松方正義 日銀を設立 銀本位制を確立しようとした 増税、官営工場の払い下げ それが景気悪化
- 経済成長率が低くなった国家では、お金は持っているものだけに集まり、貧富の差が拡大するのが歴史の教え それを是正するのが大きな社会変化、顕著なのは戦争
- 常に自分を見失わず、自分なりの異変を感じたら、誰に何を言われようが、即座に変わり身すること。大きな社会変化が差し迫った時代の中で、生き延びる秘訣は、それにつきると僕は思っている。
- 関連して読んだ本
#10
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- アドラー心理学 過去の原因でなく、いまの目的を考える トラウマを明確に否定 他者からの承認を求めることを否定する あらゆる縦の関係を否定し、すべての対人関係を横の関係とすることを提唱
- 不安だから外に出られないのでなく、外に出たくないので、不安という感情を作り出している
- 自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定する
- 勇気づけ 今の自分を受け入れ、たとえ結果がどうであっても前に踏み出す勇気をもってもらう
- 我々を苦しめる劣等感は客観的な事実でなく、主観的な解釈
- 行動目標
- 自立すること、社会と調和して暮らせること
- 行動を支える心理面の目標
- 私には能力があるという意識、人々は私の仲間であるという意識
- 課題の分離 これは誰の課題なのか 自分の課題と他者のそれを分離
- 自分を変えることができるのは自分しかいない
- 他者はあなたの期待を満たすためにいきているのではない
- 他者の課題には介入せず、自分の課題には誰一人として介入させない
- 困難に直面することを教えられなかった子どもは、あらゆる困難を避けようとする
- 人の悩みは対人関係の悩み
- 他者の課題に介入することこそ、自己中心的な発想
- 自由とは他者から嫌われること
- 私が変わることで変わったのはわたしだけ
- 他者からどうみられているかばかりを気にかける生き方こそ、わたしにしか関心を持たない自己中心的なライフスタイル
- 人には自分には価値があると思えた時にだけ、勇気をもてる
- 他者がわたしになにをしてくれるかではなく、私が他者になにをできるかを考え実践していく
- 神経症的なライフスタイルをもった人は、なにかと、みんな、いつも、すべてといった言葉を使います
- 一般化の言葉を口癖としているようなら注意が必要