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第四章第一節 末梢組織に対するリハビリテーション
- 1 組織損傷のリハビリテーション
- 末梢性疼痛が過度な場合や長期間継続する場合は、しばしば神経系の感作や可塑的変化を招来し、慢性痛に移行することから、治療戦略として一番大切な視点は「痛みを長引かせない」ことにある
- 2 不活動に起因した痛みのリハビリテーション
- 臨床研究ならびに実験研究の双方で末梢組織を不活動状態にさらすだけで痛みが発生するという事実が明らかになっている
- 不活動に起因した痛みは「不活動によって末梢組織からの刺激入力が減弱・消失すること」が、その発生要因に深くかかわっていると仮説されていることから、リハビリテーションではたとえギブス固定中であっても、可能な限り末梢組織への刺激入力を促す治療戦略を組み立てることが重要と思われる