不活動と痛み

沖田実、中野治郎、関野有紀、濱上陽平 不活動と痛み Practice of Pain management 2013;4(2):94-98

  • ヒトでも動物でもギプス固定などによる身体の不活動状態の惹起は痛みの発生を招き、しかも、不活動状態が長期化すると、その痛みは慢性痛へと発展する可能性が高いことが示唆されている
  • 末梢組織を不活動状態に曝すだけで、一次求心神経の末梢性感作や脊髄レベルにおける中枢性感作が生じることがこれまでに明らかになっており、不活動に起因した痛みの発生メカニズムに関与している可能性がある
  • 不活動によって表皮が菲薄化することで末梢神経終末と外界との距離が縮まり、末梢神経終末自体も増加することから、刺激を鋭敏に感じ取るようになると推察される。そして、このような皮膚組織の変化と痛覚閾値の低下が生じ始める時期は一致しており、炎症性疼痛や神経障害性疼痛といった病態でも皮膚組織に同様の変化が認められることから、不活動に起因した痛みの発生メカ