TRPファミリー受容体と痛み

戴毅、野口光一 TRPファミリー受容体と痛み Bio Clinica 2008;23:429-435

  • TRP;transient receptor potential
  • TRPV1
    • トウガラシの主成分のカプサイシンのみならず、酸、熱、といった実際に生体で痛みを惹起する刺激によって直接活性化される
    • 一次感覚ニューロンの小型から中型の細胞(C線維とAδ線維をもつnociceptor)のみに発現
    • 組織損傷が起こるとTRPV1の発現や分布がダイナミックに変化する
    • 炎症性疼痛と神経因性疼痛の発症メカニズムにTRPV1は重要な役割を担っている
  • TRPA1
  • TRPV2
  • TRPV4
    • 低浸透圧で活性化させる受容体 機械刺激に受容するチャンネルの候補
  • TRPM8
    • メントールやicillin,そして28度以下の冷刺激によって活性化される

芝田英生 カルシウムチャンネルα2−δリガンド Bio Clinica 2008;23:442-446

  • 慢性疼痛 侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛心因性疼痛
  • 神経障害性疼痛 1994 IASP
    • 神経系の一次的病変、機能異常により惹起される痛み
    • 現在の薬剤選択
      • 一次療法 抗うつ薬、カルシウムチャンネルα2−δリガンド、局所リドカイン
      • 二次療法 麻薬系鎮痛薬、トラマドール
      • 三次療法 抗けいれん薬、抗うつ薬、メキシレチン、NMDA受容体拮抗薬、局所カプサイシン
  • カルシウムチャンネルα2−δリガンド
    • 電位依存性カルシウムチャンネルのα2−δサブユニットに結合し、グルタミン酸およびサブスタンスP等の神経伝達物質の放出を抑制すると考えられている
    • ガバペンチン(ニューロンチン、国内ガバペン)、プレガバリン(リリカ)