統計の連載 小柳貴裕医師
臨整外 36(9):1044-1047, 36(12):1427-1432,37(3):275-282, 37(6):735-741, 37(9):1095-1099,37(12):1445-1449, 38(3):325-331, 38(7):905-910, 38(10):1295-1301,39(5):680-685, 40(8):924-930
小柳貴裕 整形外科と疫学 EBMという前に 臨整外 2002;37(12):1445-1449
- 観察研究
- 縦断研究
- 患者対照研究 retrospective 稀な疾患や、発症に時間がかかる疾患の検討に向いている。予算があまりかからず、短時間でできる。偏りが生じやすい
- cohort研究 retrospective/prospective prospective -予後因子の解析
- 横断研究
- 介入研究
- 無作為化臨床試験
- bias
- selection bias
- information bias
- recall bias 患者の記憶に頼った場合の不確定性
- nonresponse bias
- 交絡 cofounder
- 研究計画段階での対処 集団の制限、マッチング、無作為化
- データ解析法での対処 層化、多変量解析
小柳貴裕 生存分析 2群の比較を中心として 臨整外 2004;37(1):56-62
- すべての死をもってようやく生存期間の評価が始まるというのでは分析の計画が立たない。生存期間のことなる全部の症例を無駄にすることなく、生存している例や消息不明例すなわち打ち切り例(censored data)をも分析の対照に含めて分析する方法が生存分析
- endpoint
- 死(はっきりしている)、再置換の日(恣意的要素をふくめ種々の事情が関与)
- 打ち切り censored case
- endpointに至っていないケース 観察終了時点で生存している症例、消息不明例、他の原因で死亡した症例
- 追跡不明例に死亡によるものや、不良例が他院に流れたりするばあいもある。追跡不能例をなるべく少なくしなければならない
- 2群間の差の検定
- Mantel-Haenszel層別解析
- Log-rank検定
- Gehan-Breslow(一般化Wilcozon)検定
小柳貴裕 比例ハザードモデル 比例というハードル 臨整外 2004;39(10):1326-1332
- 重回帰分析のの最大の欠点は打ち切り例の生存期間を分析の中に含められないこと
- 比例ハザードモデル
- ある変数での予後の比較を主目的とする場合、他の変数(重症度、年齢など)をバイアスとしてその影響を取り除くべく調整して評価する
- 生存期間と関係ありそうな変量を単変量解析でまず検索し、他の変量との相互作用の影響を処理した上でリスク因子をハザード比と優位確率(信頼区間)で評価する
- 共変量
- 処置 例えば手術の有無や薬物使用の有無
- 特有の性質 年齢、性や腫瘍の予後を分析するならstage,その発生部位や組織型
- 環境因子 時代の違い、多施設共同研究などにおける施設間格差
- 共変量に対して死亡がすくなくとも5倍以上ないと情報量にみあった解析はできない。
- 比例ハザード性の検証
- 共変量の選択
- 共変量はリスク因子の重要性という観点からは生存期間の予測に役立ち、なるべくお互いに独立したものがよい
- 共変量選択は主に尤度比検定でstepwise(変数減少法)でおこなうが、強制投入された全変量を提示することも多い
- リスク因子探索において、単変量解析と、比例ハザードモデル解析の両者の結果を記すことも少なくない