沖藤 晶子 p59 痛みの心理的なアセスメントとその治療
- 痛みは複雑なプロセスを経た不快な感覚性情動性の体験であり、心理的な要素無しに理解することは不可能である
- 臨床心理では精神障害も含めたあらゆる機能障害を心理的観点から観て、心理メカニズムに基づいた治療を行う
- 痛みの心理学的アセスメント
- 疼痛患者のための心理的治療
- 行動心理学に基づいた治療
- 古典的条件付け
- オペラント条件付け
- 1970年代 フォーダイス overt pain behavior
- オペラントで学習された行動は、強化刺激を得ようとして意識されているものではない
- 痛み高度がすべてオペラント学習されたものとは限らない。うめき声を出している、という状況だけからそれが痛みから来ているのか、オペラント学習の賜物なのかを判断するのは不可能である
- 不適切な痛み行動が患者本人や周りの人が自分の責任であるといった罪悪感をもったり、非難されているような気分になるひともいる。痛み行動が強化刺激を得ようとする意図的なものではないということ、オペラント学習がいかに私たちのあらゆる行動に関係しているかといった例を挙げることで価値観にとらわれない治療方針を組み立てていくことが大切である。
- 臨床認知行動心理学に基づいた治療
- 認知の歪みの10項目
- 全か無かの思考 物事を全か無か、白か黒かの二分法で考えようとする
- 一般化のしすぎ ごくわずかな事実を取り上げて何事も同様にきめつけてしまう
- 心のフィルタ― 自分の関心のあることのみに目をむける
- マイナス化思考 容易ことが見えなくなり、何でもないことや、よいことまでも悪いように悪いように考えてしまう
- レッテル貼り ちょっとした失敗体験をもとに、それが自分の本質であるかのように自らにレッテルを貼ってしまう
- 結論の飛躍 わずかな根拠から、思いつきを信じ込んでしまう
- 拡大解釈(破滅化)と過小評価 自分の気になることを重要視し、反対にそれ以外にのことを小さく観る
- 感情的決めつけ 自分の感情から現実を判断してしまう
- すべき表現 なにをするにおいても、こうすべきだ、つねにこうあらねばならないなどと、厳しいい基準を作り上げてしまう
- 個人化 何か悪いことが起きるとすべて自分の責任だと思ってしまう
田中秀和、本田哲三 p78 リハビリテーション科における慢性痛の治療とケア