野口和敬、生坂正臣 痛みの問診のポイント Brain and Nerve 2012;64(11):1273-1277
- 痛みの種類
- 侵害受容性疼痛
- 内臓痛
- 内臓痛は、血圧低下、頻脈、発汗、顔面蒼白、悪心・嘔吐などの自律神経症状を伴うことも多く、体性領域に関与して皮膚の知覚過敏帯を伴うこともある
- 体性痛
- 関連痛
- 内蔵から発生した痛みが障害部位と異なる体表部位付近から感じられることがある。内臓神経求心線維は後根を通って脊髄ニューロンにつながるが、その脊髄ニューロンでは皮膚や筋肉からの入力刺激も受けているため、内臓神経からの入力刺激にもかかわらず、同一レベルの脊髄分節によって支配される皮膚や筋肉にも同時に疼痛を感じることになる。ときに皮膚の知覚過敏や反射性の筋攣縮を伴うことがある
- したがって、関連痛を考える場合には内臓神経がどの脊髄レベルに入るか知っておく必要がある。痛みの部位は比較的局在しているが、原因臓器に近いとは限らず予想外に遠隔である場合もあることに注意する。その最たる例として横隔膜がある。横隔膜は第3−5頚髄から起こる横隔神経により支配されているため、横隔膜に病変が存在すると片側または両側の肩の疼痛を引き起こす
- 神経障害性疼痛
- 心因性疼痛
- 言語化しにくい体の異変を「痛み」としか表現できない患者に遭遇する場合もある。このような患者の痛みの病歴聴取をしても曖昧でつかみ所がない。パーキンソン病患者でそのような例が多い
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