2018年の5冊

  • コンピュータは計算機であり、計算機は計算しかできない
  • AIがコンピュータ上で実現されるソフトウエアである限り、人間の知的活動のすべてが数式で表現できなければ、AIが人間に取って代わることはありません。
  • ディープラーニングなどの統計的手法の延長では人工知能は実現できません
  • 目的や目標と制約条件が記述できる課題では、こうした教科学習による最適化がうまくいくことがある
  • ディープラーニングは脳を模倣したのでなく、脳を模倣して数理モデルをつくった
  • IBM ジョパディはファクトイドで解ける
  • コンピュータはすべて数学でできています。AIは単なるソフトウエアですから、やはり数学さえわかっていれば、AIに何ができるか、そして何ができないはずかは、実物をみなくてもある程度創造がつくのです
  • 仕事がマニュアル化されやすい、つまり、決められたルールに従って作業すればよいという共通点があり、AIによって代替えされやすい
  • 第5世代コンピュータ 失敗から学ぶものが何一つ残されていないことい愕然とした
  • AIには、意味を理解する仕組みが入っているわけではなくて、あくまでも、「あたかも意味を理解しているようなふり」をしているのです
  • 人間の認識や人間が認識している事象の大半を数式に翻訳することができ、しかもそれが計算可能な式ならば、「真の意味でのAI」が完成する日は遠くないかもしれません
  • 長い歴史を通して、数学は、人間の認識や、人間が認識している事象を説明する手段として、論理と確率、統計という言葉を獲得してきた、あるいは、獲得できたのはその3つの言葉だけだった。
  • 論理、確率、統計、これが4000年以上の数学の歴史で発見された数学の言葉のすべてです。そして、それが、科学が使える言葉のすべてです。
  • 数学が発見した、論理、確率、統計にはもう一つ決定的にかけていることがあります。それは「意味」を記述する方法がないということです。
  • 意味としては真偽の2つしかない
  • 現在の情報検索や自然言語処理は、基本的に論理で処理させることは当面諦めて、統計と確率の手法でAIに言語を学習させようとしていません。つまり、文章の意味はわからなくても、その文章にでてくる既知の単語とその組み合わせから統計的に推測して、正しそうな回答を導き出そうとしているのです
  • 現状の意味をまったく考えない機械翻訳をみていると、それが人間の翻訳を代替する日は来ないだろうと思うのです
  • 2014年にひまわり8号が投入されてから予測精度が一層あがった。放射計を搭載
  • AI技術の無償公開 AI技術をパッケージにして大きな利益を得られることはないということを、AIの先駆者全員が認めたということにほかならない
  • 真の意味でのAIが人間と同等の知能を得るためには、私たちの脳が、意識無意識を問わず認識していることすべて計算可能な数式に置き換えることができることを意味します。しかし、いまのところ、数学で数式に置き換えることができるのは、論理的に言えること、統計的に言えること、確率的にいえることの3つだけです。そして、私たちの認識を、すべて論理、統計、確率に還元することはできません。
  • AIに不得意な分野 高度な読解力と常識、加えて人間らしい柔軟な判断が要求される分野
  • AIに代替されない人材はどのような能力を持った人なのか?それは、意味を理解する能力
  • AIは自ら新しいものは生み出さない。単にコストを減らすのみ

勝間式 超ロジカル家事

勝間式 超ロジカル家事

  • 魚焼きグリル ミニトレイ
  • 小物類をまいて干す 風呂場の浴槽の上
  • 人間が管理できる数は最大8 8チャンク 棚や引き出しを開けた時、視界に入る範囲で把握できる量は7 or 8 それ以上になると管理不能というストレスがかかる
  • 逓減型の生命保険
    • 子どもが小さい時は5000万 大きくなったら下げる
  • 掛け捨て医療保険は、文字通りお金を捨てている その分投信貯蓄へまわせ
  • ネット証券で、積立投信 銀行よりよい
  • 世界株式インデックス、日本株式インデックス、リード
  • 5年以上続ける
  • 女の運命は髪で変わる 佐藤友美
  • スポーツクラブは定員の100倍の会員
  • バッグ マザーハウス ヨゾラ2ウェイバッグ M,L
  • 一日10分 テレビ体操
  • 座らない トム・ラス
  • 象印 圧力IH鍋 アイリスオーヤマ 熱風オーブン リクック シャープ ヘルシオ
  • 野菜果物専用カッター

組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫)

組織の不条理 - 日本軍の失敗に学ぶ (中公文庫)

  • 不条理 人間組織が合理的に失敗すること
  • 新制度派経済学的アプローチ どんな人間も完全合理的ではなく、限定合理的だとみなす
  • 取引コスト(見えないコスト)が存在するために、人間は非効率的な状態を合理的に選択する可能性がある
  • 長い年月多大なコストをかけて訓練してきた日本陸軍伝統の白兵突撃戦術を放棄した場合、これまで白兵突撃戦術に投資してきた巨額の資金が回収できない埋没コストになったからである。また、その変更に反発する多くの利害関係者を説得するために、多大な取引コストを負担しなければならない状況にあった
  • HAサイモン 人間は完全に合理的ではないが、完全に非合理でもなく、限定合理的にしか行動できない。よ正確にいえば、すべての人間は情報収集、計算処理、そして伝達表現能力に限界があり、この限定された情報能力のもとに意図的に合理的にしか行動できない
  • QWERTYキーボード配列は、その配列をより効率的な配列へと変更するにはあまりにも高い取引コストが発生するので、たとえその配列が非効率であったとしても、この配列をスタンダードとして採用し続けているほうがより合理的となる現象
  • 白兵戦術を放棄し、より効率的な戦術へと作戦を変更すれば、日本陸軍は巨額のコストを負担しなければならないような状況におかれていたから 教育訓練コストもまた回収不能の枚物コスト。利害関係者を説得するための膨大な取引コストを生み出す
  • 大沢商会 現状を変化させるにはあまりにも巨大な埋没コストと取引コストが発生する状況にあった
  • 不条理を回避するためには、自らが限定合理的であることを認識し、逆に権利の一部を奴隷や捕虜に与え、彼らのインセンティブを高めるような穏健統治を展開する必要がある
  • 完全合理性の妄想にとらわれず、人間の限定合理性を基礎として、徹底的な分権的経営管理を展開することによって、急速に生産性を向上させ、成長した企業が京セラ
  • 組織の本質は限定合理性である
  • ガダルカナル戦では、明治以来の長い伝統をもつ白兵突撃戦術を放棄することによって発生する埋没コストや取引コストがあまりにも大きかったために、たとえ白兵突撃作戦が非効率であろうと、日本軍にとって白兵突撃作戦を取り続けるほうが合理的だった
  • 人間が誤って完全合理性の妄想に落ちいりやすい3つの思想、すなわち 勝利主義、集権主義、全体主義
  • IBM再建 ルイス・ガースナー IBMの再建は常に自己満足と自己正当化に対する戦いであった
  • セイコー服部一郎 保守的で無批判な純血主義経営はひよわだとし、何よりも雑種、雑草でないと会社は生きのけれないと考えた。そのためあえて役員から技術者まで外の血をいれ、混血化して批判的議論の場を形成した
  • ジョン・リード 常に社員の力を信じている。社員が間違いを犯しても、それで世界が終わりになるわけではない。むしろ、致命的なのは犯した間違いを隠そうとすることだ。間違いを犯すのを恐れていたら、正しい決断をすることはできない
  • シャープはガダルカナル化していた。経営陣にとって、大変革が生み出す膨大な取引コストを考慮すると、大変革よりも逐次的にコスト削減政策を続けるほうが合理的だったのである。つまりシャープは合理的に失敗した
  • 不条理の制度論的解決法
    • 世の中には見えない取引コストが存在していることを認識する必要がある
    • 不条理を回避するために、事前に取引コストを節約する様々な制度や仕組みを形成しておく必要がある。(社外取締役
    • エイジェンシー理論 人間は限定合理的に利己的利益を追求するものと仮定される。つまり限定された情報の中で、人間は損得勘定をし、計算結果がプラスであれば行動し、結果がマイナスであれば行動しない
  • 経営者は明確に自らの利害と従業員の利害を一致させ、情報を対称化する様々な制度設計する必要がある。つまり有用な従業員を残し、無能な従業員をレイオフするような制度を形成する必要がある
  • このような不条理を避けるためにには、経営者やリーダーは従業員に役割や権限を明確に与えるような所有権制度を設計する必要がある。このような制度のもとでは、従業員はマイナス効果を避け、プラス効果ができるように職務権限を遂行するだろう
  • カント 因果論的で科学的な人間理性を、理論理性と読んだ
  • よいことかどうかあるいは正しいことかどうかを価値判断する理性 実践理性
  • 他律的で刺激反応行動に逆らう行動で、まさに自律的意志のあらわれだとし、カントはこれを自由意志とよんだ
  • もし人間に自由意志(実践理性)があれば、人間は自分の外にある原因つまりコストや利益あるいは制度にとらわれずに、つまり損得勘定の結果にとらわれずに、自ら正しいと価値判断して自律的に行動することができる

知的戦闘力を高める 独学の技法

知的戦闘力を高める 独学の技法

  • 独学 戦略、インプット、抽象化構造化、ストック
  • 変化の激しい時代であれば、インプットされた知識の多くは極めて短い期間で陳腐化し、効用を失うことを前提にして独学のシステムを組む必要がある
  • 独学が必要な理由 
    • 知識の不良債権化、産業蒸発の時代、人生三毛作(動労時間は長くなるのに、企業の旬の寿命は短くなる)、クロスオーバー人材
  • 書籍やインターネットの情報というのは他の誰かの情報ですから、いわば劣化コピーでしかない
  • そうした情報を組み合わせて、その人ならではなお示唆や洞察を生み出すことも、独学システムの重要な役割
  • ショーペンハウエル 読書は、他人にものをかんがえてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない
  • フランシス・ベーコン 信じて丸呑みにするために読むな。話題や論題を見つけるためにも読むな。しかし、熟考するために読むがよい
  • 新しいアイデアとは新しい組み合わせによって生まれる
  • 知識は整理されていないと使えない
  • 老害というのは知識のアップデートに失敗した人、知識のクオリティと権力の大きさのバランスを崩した人が引き起こす問題
  • レヴィストロース プリコラージ 何の役に立つかわからないけども、なんかあるきがする
  • 人生でどこかインプットしている時期がある 内田樹
  • 人生において他者からアウトプットを求められていない時期、インプットのための機会費用の小さい時期にしか、大量かつ無節操なインプットはできない
  • 人と話す=もっとも効率のいいインプット
  • 小室直樹 モデルとは本質的なものだけを今日を強調して抜き出し、あとは棄て去る作業です。抽象と捨象といいます
  • 抽象化は場数を踏むしかない
  • 転記を9箇所に限定する
  • あとで検索できるようにストック エバーノート
  • 感じ方、考え方が多様になることで、最終的に意見が多様化する
  • 哲学を学ぶことの意味 自分で考える力を鍛える
  • 人間は合理的ではない

同じ著者で下記も読んだ
武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)
劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか (光文社新書)
外資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」~ (光文社新書)

ラブレス

ラブレス

  • 作者:桜木 紫乃
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/08
  • メディア: 単行本

  • 村田英雄 義理がすたればこの世は闇だ
  • 華っていうのは、自分じゃどうにもならないものなの。こればっかりは努力だの根性ではどうにかなるもんじゃないのね
  • 元気でいるなら上等だ。歌って踊っているなら、なおよろしい
  • 記憶って、都合よく上書きできるっていうし
  • 理恵もお母さんも、おばあちゃんも、人間だから弱いの。だから、優しくされると甘えちゃうんだ。でも、甘えると今度は自分が嫌になっちゃう。おばあちゃんはそれに耐えられなくて、お酒を飲んじゃうだと思う。理恵は間違っていないなんか。大丈夫
  • 高樹さんにあんなことを言うつもりはなかったんだ。あの年くらいになると、いろいろと帳尻を合わせたくなるのも分かるし。里実おばさんにしたって、のちのち後悔しそうでわたしに話したんだろうし。みんな善人なの。それは叔母さんにしても高樹さんにしても、同じなんだと思うのね。告白って、ただの確認作業だと思うわけ、本人が気付いているかどうかはわからないけど、自分が許されているかどうか確かめたいんじゃないかな。
  • わたしは小夜子ちゃんの人生は小夜子ちゃんのものだたお思うの。子供は産みたいときに産んだらいいのよ。女は選べるんだもの。産んでやり直す人生と、生まずにやり直す人生と。どっちも自分で選べば、誰も恨むこともないんじゃないの。
  • 自分が誰の子かわかったところで、その事実に今を変える力なんかないんだよねぇ
  • みんな自分の都合のいいようにしか見ないし聞かないもの。
  • どこへ向かうのも風のなすまま。からりと明るく次の場所へ向かい、あっさりと昨日を捨てる。捨てた昨日を惜しんだりしない。

偏愛読書トライアングル に紹介されていたので読んでみた。「楡家の人びと」のような感じで、当たりだった。

痛みの捉え方について

  • Peter O'Sullivan氏(オーストラリア、PT)のtwitterからの引用

動機づけ面接法 実践入門

動機づけ面接法 実践入門 「あらゆる医療現場で応用するために」

動機づけ面接法 実践入門 「あらゆる医療現場で応用するために」

  • 作者: ステファン・ロルニック,ウィリアム・R・ミラー,クリストファー・C・バトラー,後藤恵,荒井まゆみ
  • 出版社/メーカー: 星和書店
  • 発売日: 2010/05/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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  • MIとは、むしろ患者がすでに持っているものを、彼らから呼び起こす方法である
  • 4つの指針
    • 1) 正したい反応を抑制し(Resist)、2)患者独自の動機の探求して理解し、(Understand)、3) 共感をもって傾聴し(Listen)、4) 患者を勇気づけ励まして、希望を持ち続け楽観的であるよう促す(Empower) RULE
  • 私たちは自分自身の声を聞いて、それを信じる傾向がある
  • 面接時間が限られているときは、患者にどうすべきか告げるよりも、なぜ変わりたいのか、およびどのように変わりたいのかを尋ねるほうがより有効である
  • 面接において積極的で、自分を変える理由や方法を言葉にする患者は、その後に言ったことを実行する可能性が高い
  • 誘導(案内)形式は、行動を変えることについて、「私はあなたが、自分自身でこの問題を解決するように援助できます」と伝えている
  • 3つの技術(質問、傾聴、情報提供)は、3つの形式(追従(見守り)、誘導(案内)、支持)全てにおいて用いられる
  • 患者の心配や経験を理解したいという真摯な願望に基づいて、傾聴を少し増やすと、診断の質が明らかに高まる
  • あなたの課題は、抵抗でなく「チェンジトーク」を患者から引き出すことである
  • チェンジトーク 願望/能力/理由/必要/決意/行動に移す
    • 願望 そのように変わりたいのはなぜですか
    • 能力 そのように変わるとしたら、どのようにおこないますか
    • 理由 そのように変わることによって得られる、3つの最も重要な利益はなんだと思いますか
    • 必要 そのように変わることは、あなたにとって、どのくらい重要なことですか
    • 行動に移す 健康であるために、今までにやってみたことはなんですか

動機づけ面接法 基礎・実践編

動機づけ面接法―基礎・実践編

動機づけ面接法―基礎・実践編

  • 動機づけ面接法
  • クライアント中心療法 カール・ロジャーズ
    • 正確な共感性 accurate empathy、被支配的な暖かさ non-possesive warmth
  • 実際カウンセリングの中で、変化に抵抗を示す人ほど回復は困難である
  • しかし、一般にカウンセリングの中で、クアイエントが変化の可能性について語る時には、実際の変化につながる
  • 自分が変化できると信じる人は回復していく
  • 変化を語る言葉は重要である
  • 両価性 アンビバレンス 変わりたい、でも変わりたくない
  • 自己認識理論的に言い換えれば、自分の言葉を聞くことにより、自分が信じるものを知る
  • この結果から、「正したい」反応をできるだけ控えることが大切
  • 動機づけ面接法は、両価性の軽活を意図して意識的に進められ、特定の変化の方向を目指して行われる
  • 面接者は、クライエントが「変化を語る」ように、特定の方向に変わる話を特別に強化しながら、抵抗があればそれを軽減するように面接する。動機づけ面接法では、両価性を解決し個人が変わる話に、選択亭に応答するのである
  • 動機づけ面接法の精神
    • 協働性、喚起性、自律性、
  • 4つの一般原理
    • 共感を表現する、矛盾を拡大する、抵抗に巻き込まれ転がりながら進む、自己効力感を援助する
  • 機が熟する前に焦点を絞らないことが大切である
  • カウンセリング初期に使用される5つの方法
    • 開かれた質問、振り返りの傾聴、認めて肯定する、チェンジトーク(変化についての話)を引き出す
  • 振り返りの傾聴の本質は、話し手が本当に話したいことを、推測する応答の仕方にある
  • 開かれた質問の後は、クライエントの答えに振り返り傾聴で応答する
  • 質問の後には、また質問をするのではなく、振り返りの傾聴で継続することを覚えておきたい
  • 3つの要約
    • 集める要約、繋ぐ要約、移行期の要約
  • チェンジトークは4つの分類
    • 現状の不利益を認識した言葉、変化の利点を認識した言葉、変化についての楽観的な気持ちを表現する言葉、変化への意志や決意を表現する言葉
  • チェンジトークを呼び覚ます方法
    • 重要性尺度を使う、決断の利害損失を探索する、詳しい説明を求める、極端な例について質問する、過去を振り返る、将来の見通しを語る、人生の目標や価値を探求する
  • 自分自身の言葉を聞くうちに、人生の目標や価値と現在の行動との矛盾に、一層気がついていく
  • 要約はチェンジトークを集めて、花束を作るのに似ている
  • 「あなたにとって何が一番大切ですか」
  • カウンセラーが抵抗にどのように応答するかが問題なのである
  • 振り返り以外の5つの応答
  • 焦点を移す、違う視点で言い換える、意味を少し変えて同意する、個人の選択権とコントロールを強調する、歩調を合わせて進む
  • 抵抗には抵抗しないのが、一般的にはよい方策である
  • 自信を示す言葉を引き出し、強化する
    • 自信を呼び覚ます質問、自信の測定、過去の成功を振り返る、個人の内的資源と援助、ブレインストーミング、情報と助言を提供する、リフレイミング、変化が起こったものと仮定する、自信を示す言葉に応答する、徹底的な変化に取り込む

人を動かす対話術

人を動かす対話術 (PHP新書)

人を動かす対話術 (PHP新書)

p113-p172

  • 受け止め方を変えるアプローチ
  • 両価的葛藤に焦点を当て、両価的葛藤を解決することによって意欲やモチベーションを高めようとする対話技法が、動機づけ面接法(Motivational interviewing)である
  • 変われない状況というのは多くの場合、「ーーしたいが、できない」というジレンマにとわられている
  • 変わろうとしないのは、変わりたい気持ちと変わることに抵抗する気持ちとが、すくみ合って身動きがとれなくなっている状況だといえる
  • 無理やり動かそうとしても逆のことが起こる
  • ある行動を止めたいが止められない人に、止めなければならないと無理やり説得しようとしたり、力づくで止めようとすると、その人はますますその行動に耽るようになる
  • 動機づけ面接法の原理の一つは、両価的な状態においては、一方への働きかけは必ずそれを打ち消すような方向への反作用を生み出すゆえに、一方に加担してはいけないということである
  • 両価的な状態を扱う最初の原則は、中立的であることである。肝に命じておくべきは、判断や決定自体に関与しないということである
  • 本人の主体性によって選択を行わせるという立場を貫く
  • まず最初の課題は両価的葛藤を明らかにしてありのままに受け止めることである
  • 対話しながら、両価的葛藤の正体を明らかにしていく
  • 人はしばしば自分の葛藤と向き合うのを避けようとするだけでなく、人に自分の葛藤が知られるのを好まず、人からもそれを隠そうとする。
  • しかし、葛藤と向き合わなければ葛藤を克服することはできない
  • 「ーーという気持ちと、ーーという気持ちの両方があるんですね」と尋ねながら、「他にはどんな気持ちがありますか」と尋ねてみるのもいいだろう
  • 「ーーという気持ちとーーという気持ちの間で苦しんでいるのですね」と、両価的な葛藤を整理し、それを共感的に受けて止めることが第一歩である
  • 両価的な葛藤があることを、自分が弱くてダメな証拠だと思うのではなく、そうした気持ちがあって当然であり、むしろその両方の気持ちをありのままに受け止め、語れるようになることが、葛藤の克服にもつながるのである
  • こうして葛藤の本体を明確にするとともに、葛藤そのものについて本人自身が語れるようになることが最初の段階のゴールである
  • 変化を可能にする原理の一つは、矛盾を意識化させると人は変わり始めるということである
  • 変わろうとする意思を表明することを動機づけ面接法では、「チェインジトーク」と」呼ぶ
  • チェインジトークの段階
    • 1 現状のままかわらないことによるデメリットを認める言葉
    • 2 変わったほうがメリットがあることを認める言葉
    • 3 現状を変えることへの希望的観測や自身を語る言葉
    • 4 変わることへ明確な決意を表明する言葉
    • 5 現状を変えるための具体的な方法について、知恵を絞る言葉
  • 変化を生む基本テクニック
    • 1 スケーリングクエッション
    • 2 オープンクエッションを増やす
    • 3 したくないのかできないのあk
      • 人生のおける意味のジレンマ、重要性のジレンマ
      • それが実行可能かどうかということをめぐるジレンマ
    • 4 変化が起きたと仮定して尋ねる
    • 5 矛盾を拡大するテクニック
      • 重要性のジレンマを解決するために重要なことは、自分にとって何が一番最優先か、何が一番大切かを明確にしていくことである
    • 矛盾を自覚するためには、矛盾の存在に気づかなければならないが、現状に慣れきっているひとは自分のなかの矛盾に気づかないものだ
      • 5-1 メリットとデメリットを尋ねる
      • 5-2 最悪の自体について尋ねる
      • 5-3 人生が順調だった頃の事を聞く
      • 5-4 自分がどうなりたいか尋ねる (自己矛盾に気づかせる)
      • 5-5 大切なことや一番嫌っていることを聞く
  • 抵抗とうまく付き合う
    • 抵抗には抵抗しない
    • 抵抗する気持ちを映し返す
    • フレーミングする
    • 本人の主体性と責任を強調する
    • 結果を焦りすぎていることを指摘する
  • 小さな変化を強化する
  • 自己効力感をたかめる
  • 言葉が変わると人は変わる 

慢性疼痛の当事者として生きる

今崎牧生 慢性疼痛の当事者として生きる 保健の科学 2018;60(11):762-766

  • 医療者や周囲から「痛みのとらわれないように考え方を変えて」「やれることを探し痛み以外のところに目を向けて」などの言葉に困ったり傷ついたりという話は時々聞く。どうもわれわれ当事者には、「破局的思考」「も「認知行動療法」も不評である
  • 短絡的に気持ちや認知の問題として取り扱うことで起こる医療現場での大きなでもエリットを当事者の立場から2つあげておく
    • 1 短絡的な「心因」は、誤解を招き当事者はそれとの付き合いにすでに疲れている。通院を諦めひとりで苦しんでいることも少なくない
    • 2 認知行動療法を含む集学的な包括的な医療に対して、過剰に期待してしまう。「どのような原因の疼痛でも効く」「医療者の側が適応も考えず、本人も望んでいないのに行う」などの誤解がせっかく芽生えた集学的な医療に対して生じている
  • 医療者側、患者側双方の認知の歪みが合理的な治療の判断を誤らせる。難しい用語を使うまでもなく、人はそもそも不合理な選択をする生物である
  • DIPExのいくつかの語りは、周囲からの理解されないことの辛さを静かに告白している

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