- 作者: 岡田尊司
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2011/10/15
- メディア: 新書
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p113-p172
- 受け止め方を変えるアプローチ
- 両価的葛藤に焦点を当て、両価的葛藤を解決することによって意欲やモチベーションを高めようとする対話技法が、動機づけ面接法(Motivational interviewing)である
- 変われない状況というのは多くの場合、「ーーしたいが、できない」というジレンマにとわられている
- 変わろうとしないのは、変わりたい気持ちと変わることに抵抗する気持ちとが、すくみ合って身動きがとれなくなっている状況だといえる
- 無理やり動かそうとしても逆のことが起こる
- ある行動を止めたいが止められない人に、止めなければならないと無理やり説得しようとしたり、力づくで止めようとすると、その人はますますその行動に耽るようになる
- 動機づけ面接法の原理の一つは、両価的な状態においては、一方への働きかけは必ずそれを打ち消すような方向への反作用を生み出すゆえに、一方に加担してはいけないということである
- 両価的な状態を扱う最初の原則は、中立的であることである。肝に命じておくべきは、判断や決定自体に関与しないということである
- 本人の主体性によって選択を行わせるという立場を貫く
- まず最初の課題は両価的葛藤を明らかにしてありのままに受け止めることである
- 対話しながら、両価的葛藤の正体を明らかにしていく
- 人はしばしば自分の葛藤と向き合うのを避けようとするだけでなく、人に自分の葛藤が知られるのを好まず、人からもそれを隠そうとする。
- しかし、葛藤と向き合わなければ葛藤を克服することはできない
- 「ーーという気持ちと、ーーという気持ちの両方があるんですね」と尋ねながら、「他にはどんな気持ちがありますか」と尋ねてみるのもいいだろう
- 「ーーという気持ちとーーという気持ちの間で苦しんでいるのですね」と、両価的な葛藤を整理し、それを共感的に受けて止めることが第一歩である
- 両価的な葛藤があることを、自分が弱くてダメな証拠だと思うのではなく、そうした気持ちがあって当然であり、むしろその両方の気持ちをありのままに受け止め、語れるようになることが、葛藤の克服にもつながるのである
- こうして葛藤の本体を明確にするとともに、葛藤そのものについて本人自身が語れるようになることが最初の段階のゴールである
- 変化を可能にする原理の一つは、矛盾を意識化させると人は変わり始めるということである
- 変わろうとする意思を表明することを動機づけ面接法では、「チェインジトーク」と」呼ぶ
- チェインジトークの段階
- 1 現状のままかわらないことによるデメリットを認める言葉
- 2 変わったほうがメリットがあることを認める言葉
- 3 現状を変えることへの希望的観測や自身を語る言葉
- 4 変わることへ明確な決意を表明する言葉
- 5 現状を変えるための具体的な方法について、知恵を絞る言葉
- 変化を生む基本テクニック
- 1 スケーリングクエッション
- 2 オープンクエッションを増やす
- 3 したくないのかできないのあk
- 人生のおける意味のジレンマ、重要性のジレンマ
- それが実行可能かどうかということをめぐるジレンマ
- 4 変化が起きたと仮定して尋ねる
- 5 矛盾を拡大するテクニック
- 重要性のジレンマを解決するために重要なことは、自分にとって何が一番最優先か、何が一番大切かを明確にしていくことである
- 矛盾を自覚するためには、矛盾の存在に気づかなければならないが、現状に慣れきっているひとは自分のなかの矛盾に気づかないものだ
- 5-1 メリットとデメリットを尋ねる
- 5-2 最悪の自体について尋ねる
- 5-3 人生が順調だった頃の事を聞く
- 5-4 自分がどうなりたいか尋ねる (自己矛盾に気づかせる)
- 5-5 大切なことや一番嫌っていることを聞く
- 抵抗とうまく付き合う
- 抵抗には抵抗しない
- 抵抗する気持ちを映し返す
- リフレーミングする
- 本人の主体性と責任を強調する
- 結果を焦りすぎていることを指摘する
- 小さな変化を強化する
- 自己効力感をたかめる
- 言葉が変わると人は変わる