- 痛みの遷延化の規定因子として”破局化思考 pain catastrophizing”の存在が知られる。痛みの破局的思考は、反復(何度も痛みを考えてしまう)・拡大視(痛みを必要以上に強い存在と感じる)・救いのなさ(痛みから逃れる方法がないと考える)の3要素から成り、このような破局的思考の傾向が強いと痛みが遷延化しやすく、神経障害性疼痛や線維筋痛症、非特異的腰痛患者では痛みの破局的思考の傾向が強い
- 反復の思考パターンは、感情の快/不快の価値判断を担う前頭前野と後部帯状回の機能結合の強化に起因することが示された
- 侵害刺激が加えられた際の痛みの破局的思考を持つ患者の脳の活動では、後部帯状回による脳の基底的活動パターンが変容し、前頭前野による侵害刺激に伴う痛みに対する価値判断が修飾され、その結果、痛みの不快感を認知する前帯状回の活動が暴発してしまった状態と理解することができる
- 痛み関連情動ネットワークが中脳水道周囲灰白質の機能変調と関連していることが明らかにされている