痛みの臨床 15,16

村川和重、森山萬秀、柳本富士雄、中野範 痛みの臨床15 痛みと脊髄電気刺激療法 日医雑誌 2009;138(8):1594-1595

  • 脊髄電気刺激療法 
  • gate control theoryでは、太い神経線維からの入力により、細い線維からの痛みの入力が抑制されると考え、その臨床応用として末梢神経の電気刺激が試みられた。
  • 神経障害に起因する痛みには有効であるが、侵害受容性疼痛には無効と考えられ、本法が有効な痛みは神経障害性疼痛と虚血性疼痛と考えられている。
  • 脊髄後根より末梢での神経障害に起因する例に対する治療成績が良好である。

山本隆充、深谷親、片山容一 痛みの臨床16 痛みと定位脳手術療法 日医雑誌 2009;138(8):1596-1597

  • 幻肢痛、末梢神経損傷後疼痛など、体性感覚系の求心路が損傷をうけた後に、二次的に出現する疼痛、すなわち神経障害性疼痛に対しては、オピオイドや神経ブロックが無効であることが多く、痛覚伝導路の破壊術はさらに新たな神経障害性疼痛を発生させる可能性があるので、視床知覚中継核(視床Vc核)刺激が用いられている
  • 視床知覚中継核刺激の除痛 中枢神経損傷後より末梢神経損傷後の神経障害性疼痛ケタミン感受性あり)に対して著効 
  • 視床知覚中継核の長期刺激は四肢の切断によって出現した神経の再構築を変化させる作用と有すると考えられる