• 痛みを連想させる写真を被験者にみせて、自分の痛みとして想像させた時の脳活動をfMRIで記録したところ、第二次体性感覚野、島、帯状回といった痛み認知に関与する部位の血流が有意に上昇することを発見
  • 痛みの感情の脳活動は、うつ状態や痛みの状態と相関していることが明らかになった
  • 痛覚伝達経路は大別して2つ
    • 内側系 痛みの感情情動面や自律神経系に関与
    • 外側系 痛みの判別的側面(痛みの強さや場所)に関与
  • 痛みの内的体験 inner experience of pain
    • 痛そうな画像を見て自分の痛みを想像してもらったとき、複数の痛み関連脳部位の有意な活性を認め、あたかも実際の痛み刺激を与えられたかのような脳活動を示した。
    • 具体的には、前帯状回後部、島前部、第二次体性感覚野、後部頭頂葉、小脳部位の有意な血流増加
  • Koyamaら
    • 少ない痛みを予想している時は、主観的な痛みの強さと痛み関連の脳活動が両方が、実際の痛みより抑制されていることをfMRIで証明
  • 痛みの感情の脳活動は、恐怖、嫌悪、怒りなどと共有する脳活動領域(前帯状回領域)もあるが、明らかに他の感情とは違う独特の脳活動(島や第二次体性感覚野)を呈し、痛み関連脳領域の主要な活動を占めている。また情動によって大きく影響を受けていることが新しいニューロイメージングによってあきらかになってきている。痛みの感情の仕組みが明らかになっていくにつれて、侵害刺激のみが原因でない心の痛みともいえる痛みを訴える多くの患者を理解し、治療することによって、臨床現場にフィードバックすることができる