丸田医師の古い論文が手に入ったので追加

丸田俊彦 痛みと心身医学 心身医 1992;32(2):98-103

  • 医療技術の急激な進歩と医療の極端な専門家の中で、医療従事者全体が心理的な問題に対して、時間を割く余裕を失い、その結果、身体疾患と心の問題の分離がさらに進みつつある
  • 疾患局所に科学的な治療を施す専門医のもとではよくならなかった患者が、疾患を治癒する科学的方法を持たないかわり、患者の中の治癒力を最大限に生かし、患者という人間全体にもを配ることに長けた民間療法によりよくなる例があることは無視できない
  • 急性疾患が医療の中心であった時代、病気と疾患の間にの区別はさほどなかったが、慢性疾患には心理的社会的なものをはじめ、人生観すら入り込んでくる
  • 慢性疾患が急上昇している現在、患者が語る体験談の中から病気を聞き取り、それに対する心身両面での対応策を考えていくこともまた、心身医学の一部であると考えられる

丸田俊彦 慢性疼痛と精神医学 心身医 1981;21(5):393-398

  • Mayo の精神科consultationは45-75分が一単位で113ドル(1981)
  • 口ではだんだんよくなっているといいながらも頻回に来院して痛みを訴え、医師の心に無力感と苛立を起こさせる行為全体も疼痛顕示行為
  • 1973 Fordyce Washington state univ
    • コミュニケーションとしての役割を果たしている疼痛顕示行為に対する中立反応
    • 陽性行動には十分な援護
    • 薬剤の減量
    • 人の斬増する正しい運動
    • 無知憶測が生む不安をとりのぞく 適応
    • 慢性疼痛顕示行為の最強の強化因子は家族、特に配偶者 家族治療
    • ゴール
    • To cope with pain 痛みを人生の一部として受入れ適応すること
    • To live with pain 痛みを人生の伴侶とすること
    • To enjoy life in spite of pain 痛みにもかかわらず充実した人生を楽しむ

1/23/2008に記載した、丸田俊彦:痛みの精神医学 臨床精神薬理 2007;10:191-196 が一番まとまっていてよい。