PACS serverのデータ移行について2

  • 実際の運用の記録
  • 古いサーバのデータは下記に保存されていた
    • /Application/dcm4chee/server/default/archive/年/月/日/時/
    • sudo du -g -s -h /Application/dcm4chee/server/default/archive/とすると800G

弱だった

  • 古いserverのterminalから下記コマンドでデータを移行した
    • storscu -v -xs -aet 転送元AE -aec 転送先AE 転送先ip 転送先port +sd +r directory
  • 一番古い年は2011年なので、年ごとに12回すればよいかと思ったが実際は下記のエラーがでて途中で止まった
  • エラー

I: Received Store Response (Refused: OutOfResources)

  • ちなみに成功すると

I: Received Store Response (Success)
I: Releasing Association

  • というわけで、エラーがでたら、月毎、日毎、時毎と転送の単位を細かくしていき、エラーがでる時単位のdirectoryを特定した。7ヶ所見つかった。
  • この手順で、時レベルの7ヶ所以外のdirectoryのデータ転送は成功したと判断した
  • 次に、特定された日のデータを新旧サーバで比較。転送されていないデータがあれば、旧サーバからviewerに読み込み、そこから新サーバへ転送した
  • さらに特定された時のdirectoryにstorescuにoptionで-dを追加して転送すると、次のエラーがでた

D: Status Detail:
D: 
D: # Dicom-Data-Set
D: # Used TransferSyntax: Little Endian Implicit
D: (0000,0902) LO [Patient ID 7518 differs from Patient ID 5718 in previous receive] #  64, 1 ErrorComment
D: 
I: Releasing Association

  • このエラーに含まれているID (ここなら7518)のデータを新旧サーバで比較すると、転送されていないデータがあったので、それも転送した
  • ただし、viewerでエラーなく転送しても、データが転送されていなかったり、viewerで転送すると、下記のエラーが出て、転送できないデータがあった

DICOM StoreSCU operation failed.
DICOM Network Failure (STORE-SCU)
SCU Failed 0006:0203 DIMSE Badly formed message

  • 最終的に、転送できなかったのは、当院で撮影したCR一例、他院のCR2例、CT1例、MRI2例の合計6例だった。これはまとめてCDに焼いて保存し、適宜参照できるようにした
  • 追記 旧サーバはdcm4chee 2.17.1でdefaultの設定なので、おそらく、directoryの構造は送信年月日時。(新サーバはstudydateにした)。外注のMRI/CTは必ずしも当日にデータが届かない。したがって、エラーが出た年月日時のdirectoryに外注のデータは必ずしも含まれていない。

PACS serverのデータ移行について1

vmware fusion / Big Sur

  • vmware fusion 8.5.10
  • OSをBig Surにしたら、vmware fusionで下記のエラーがでて起動できない
  • 「構成した設定でこの仮想マシンをパワーオンにするには物理メモリが不足しています。」
  • 当該のmacbook airのRAMは8G

n314.hatenablog.com

  • 上記によるとvmwareがBig Surに対応していないようだ

officeforest.org

  • 上記によるとvmware fusion 12 playerは個人利用で無償化された
  • ここの記載に従って、ライセンスキー発行(3台まで)
  • 無事起動できた

dcm4chee archive 5 light / mac / docker

  • ほぼ書いてある手順のcopy&pasteでinstall可能
  • ひっかかったところ
  • 1 catalinaのshellはzch
    • terminalのpromptは$でなく%
    • discussionsjapan.apple.com
    • zsh: command not found: docker といわれる
      • pathの設定が必要
      • .zchrcを作って typo .zchrc
      • export PATH="$PATH:/Applications/Docker.app/Contents/Resources/bin”
      • source ~/.zshrc
      • 追記 ここで/Users/username/.zshrc:2:unmatched " といわれる 
      • 回答 「"」を「”」(small quote)にしてしまった
      • tkhs0604.hatenablog.com
  • 2 YOUR_USERNAMEのところを自分の設定に変えなくてはならない 4か所あり
  • consoleに接続
  • Horosとの接続について
  • github.com
  • あとはdocker 設定 resourcesでCPUs/memory/SWAP/diskimage sizeの変更が必要そう
  • defaultはmemory 2G
  • その他のdcm4chee/dockerの情報
  • kkpradeeban.blogspot.com
  • learningdicomusingdcm4che.blogspot.com

dcm4chee tips

  • #1 dcm4cheeでmodalityのlistの選択肢が少ない
  • #2 dcm4cheeでexportでdestination AETの選択ができない
  • #1について
    • localhost:8080/jmx-console/
      • dcm4chee.web
      • service=WebConfigをクリック
      • ModalitiesにMR|CT|CR|OT|US|と入力
      • apply changesをクリック
      • f:id:ucymtr:20210512132449j:plain
      • 参照サイト 

www.systemcraft.co.jp

  • #2について
    • roles
    • webuserで、edit roleでAETをチェック
    • 患者を選択、exportをクリック、destination AETが選択できるようになった
    • 参照サイト

groups.google.com

疼痛の神経心理学

森岡周 疼痛の神経心理学 ー身体性と社会性の観点から 神経心理学 2016;32(3):208-215

  • 痛みの分類 感覚的側面、情動社会的側面、認知身体的側面
  • 痛みの情動・社会的側面のメカニズム
  • 内側前頭前野側坐核のコネクティビティの強さと痛みの不快感の程度には正の相関が認められることから、内側前頭前野の過活動が痛みの増強に影響していることが考えられる
  • 内側前頭前野の過活動を抑制する脳領域は、背外側前頭前野
  • 背外側前頭前野の機能不全は慢性痛の原因であるという指摘は多い
  • 心理社会モデルである痛みの恐怖ー回避モデルもこうした前頭前野の機能不全によって起こると想定されている
  • 背外側前頭前野はワーキングモメリ機能に関わり意図により作動する
  • 報酬系の作動に加えて自己の意図に基づき目標志向的に行動を起こすことは、痛みをコントロールする上で重要な役割を担っているといえよう
  • 痛みの情動・社会的側面に対する治療的ストラテジー
  • 背外側前頭前野は目標志向的な活動における意思決定や注意に関与するが、腹外側前頭前野の働きは思考の柔軟性に関与する
  • 心理検査からストレス因子を受け入れ、そのストレスとうまく付き合って生活しようとする思考ストラテジーを持つものは、痛みを予期している時の腹外側前頭前野の活動が高く、その活動と主観的疼痛強度は負の相関を示すことが明らかになっている
  • 医療者は痛みの程度の変化がなぜ生じるか、患者に良心的かつエビデンスに基づいた適切なフィードバックを与えることで、痛みの自己コントロールに関して学習させることができる、すなわち、こうした介入は「痛みは変化しない(固執)」「余計悪くなってしまう(拡大視)」といった破局的思考の意識を変えるための患者とセラピストの共同注意を働かせる道具になる
  • 社会的痛みの感受性と身体的痛みの感受性は直接的な正の相関を示し、それに共通した神経基盤が前帯状回、島の活動である
  • 社会的痛みに関しては社会的援助によって疎外感を与えないことが重要になる
  • Tunk 慢性痛は急性痛と異なり心理社会的側面の影響が大きく、そのポイントは痛みによっておこる行動と痛みのよって損失される社会的役割が問題であると述べた
  • 近年では痛みの直接的に治療するのではなく、痛みよって起こる動作障害の改善・克服、そして不安をあおる情報を整理・コントロールし、科学的かつ専門的な正確な知識に基づいた集学的アプローチによる患者教育の方が重要であることが認知されている
  • 痛みの認知・身体的側面のメカニズム
  • 痛みによって運動が抑制され、痛みを避けるような行動をとることによって、学習性の不使用(learned nouse)が生じ、不使用が継続することで患部の体部位再現が狭小化され、その結果、疼痛抑制に関与する皮質機能が低下し、痛みが慢性化される
  • 感覚情報の不一致が起これば前帯状回は活性化を起こすため、この過活動が痛みを増幅させている可能性がある
  • 痛みの認知・身体的側面の治療的ストラテジー
  • ミラーセラピーはRamachandranらによって開発された「健側を鏡に写すことであたかも患側があるように錯覚を生じさせるもの」であるが、この原理は切断によって失った手の体性感覚に基づく記憶情報と視覚的な錯覚の惹起に基づく記憶情報との間に整合性をもたらすというものであり、実際の介入によって幻肢痛の緩和が報告されている
  • Sumitaniらは、ミラーセラピーの介入効果がみられた症例は固有受容感覚に関連した痛みであり、皮膚受容感覚に関連した性質の痛みには効果がなかったことを明らかにしている
  • 外界からの感覚刺激は身体表象を介して知覚として情報化されるが、これらの課題では、接触されている位置を識別させていることに特徴があり、このプロセスが身体性の再構築に関与していると考えられる
  • 個人の情動体験、文脈や信念、さらには自己と他者の関係などのトップダウン意識によって個人の身体性が変容し、それによって痛みの程度を変化させてしまうことから、対象者の社会的拝啓も鑑み疼痛緩和アプローチを試みる必要があろう

高度情報社会におけるアイデンティティの変容 ー内受容感覚への注目

濱野清志 高度情報社会におけるアイデンティティの変容 ー内受容感覚への注目 心身医 2021;61:158-163

  • テレワークをすることが増えて改めて感じることは、きわめて私的な空間にいながら仕事向けの顔を使うという体験の微妙な居心地の悪さである
  • 内的空間がどこまでも他者を前提にした体験様式とならざるを得なくなり、身の回りの複数他者に応じた自分自身の分割提供を自然と行うことになる。ここにはプライベートと仕事を切り分け、本音と建前、表と裏を使い分ける日本人の従来の感覚に大きな挑戦がつきつけられているといえるだろう
  • 大人になるということは、多様な人間関係のなかで部分化し役割化した自分の上手に活用し、個人としての一貫性を保つことができるということである
  • 自我の機能が健康である限り、いくつかの部分化した「私」の違いは自覚されており、そこで生じる矛盾にも目を向けることができる。そして、矛盾した自分が全体としてひとりの「私」であることを把握できているのである
  • それが真の大人となることだとするなら、ウィズコロナの状況は私たち日本人に真の大人になる試練を与えているということもできるだろう
  • この心理的経験を統合する母体としての身体は、全体が一貫としてまとまりをもっている感覚、生きた身体の全体的な感覚に支えられている。この中核的な感覚基盤が後に検討する内受容感覚である
  • アイデンティティの基盤としての内受容感覚
  • 内受容感覚は、「身体の状態をとらえるための内的生理状態の求心性の機能」といわれるように、皮膚の内側の環境が安全な状態かをみる機能として発達してきた感覚である
  • 外受容感覚、自己受容感覚、内受容感覚の3つを並べ、これらを生命体にとって一定の環境内で生命現象を維持するための必須のセンサーとして捉え直してみると、感覚という現象に当然のように自我意識を主体としておくことは、人間特有の思い上がりであることに気づく、こうやって自我意識と感覚を切り離してみることも重要なことである
  • 乾は、「換言すれば、前島は、われわれが「見て、聞いて、感じる」ものを内受容予測の影響のもとで統合し、身体の多感覚表現を作っているのである。このためこの領域は統合された意識経験の基盤を形成しており、「身体的自己の基盤」であるといわれている
  • 帯状皮質や腹側前頭前野から内受容感覚が予測され、前島で実際の内受容感覚との予測誤差が検出され、この予測誤差が少なく、精度の高い状態が、環境の中にあって自己の身体がほどよい状態を保っているということを示すのであって、このあたりの現象が自己存在感や主体感の基盤となるのではないかという
  • このようにみてくると、島皮質を中心に生じる脳神経現象が、環境世界に生きる生命体としての人間にとって、生命としてのまとまりを保つ身体的な自己の中隔であることが理解されるだろう
  • 神原が人間の健康を保つ上での意識的な調整につながる「気づき」と意識下の生理的な調整機能との連携のポイントを島皮質領域に位置づけていることもうなずける