福島宏器 内受容感覚と感情の複雑な関係 ー寺澤・梅田論文へのコメント 心理学評論 2014;57(19):67-76
- 心身相関の複雑なあり方
- 1 内受容感覚がどのように評価・推測されるか
- 2 内受容感覚がどのように(どの程度)感情に寄与するか
- 1-1 身体の評価
- SchachterとSingerの有名な実験 アドレナリン投与にあわせて被験者の状況や教示を操作することによって、生理的変化それ自体だけでなく、それをどのように評価・意味づけするかということが感情を形成することを示唆した
- 自閉症スペクトラム障害などの発達障害者の一部には、身体感覚に過敏でありながら、様々な身体症状が統合されないままに経験されるという身体症状の認識の困難が見られる
- 1-2 身体の推測
- 実験状況で測られた「内受容感覚」は、生理状態よりも、外的な情報の方により影響を受けていた
- 内受容感覚の推測過程については、このような身体的な「生理活動そのもの」の推測だけでなく、その「意味づけ」についての推測過程も考えられる
- 「感情の主観的経験とは、身体内部状態についての能動的・予測的な推測過程の産物である」と捉えることができる
- 1-3 内受容感覚の構造と定義
- 生理的な層と認知的な層
- 1-4 計測手法の問題
- 2 複数の情報源とその重み付け
- 2-1 性差のパラドックス
- 2-2 多重的な情報源