DSM-5からみる身体症状症

和田良久 DSM-5からみる身体症状症 精神科臨床 Legato 2017;3(3):146-149

  • 身体症状症 
  • 従来の身体化障害、鑑別不能の身体表現性障害、疼痛性障害、心気症の一部を含んだ診断
  • 身体症状の存在、身体症状に伴う過度な思考・感情・行動、6ヶ月以上の持続
  • 診断においてDSM-IVでは医学的に説明できな身体症状という点が強調されていたが、DSM-5では診断基準から外れ、むしろ身体症状の存在と身体症状に対する反応としての過剰な思考、感情、行動の問題が存在するという陽性の症状と徴候が強調され、徳に後者が重視されている
  • 身体症状が存在することも除外基準になっていない
  • 病因論にも触れておらず、病因論を排除したDSMの原則に沿った形になっている
  • 病気不安症
  • 従来の心気症に該当
  • 変換症
  • DSM-IVでは心理的要因の存在を挙げていたが、DSM-5では削除されている。これは心因の存在の確認は実際困難であり、また心因の判断も担当医によって異なる場合もあるため客観的な判断が困難であるからである
  • 症状が意図的算出や捏造されたものではないとされていたが、これも削除されている
  • これも捏造か否かの判断は現実的に困難であり、転換性障害が他の精神疾患と比較して虚偽が多いという根拠がないことからである
  • DSM-5の身体症状症 ーDSM-IVの身体化障害、鑑別不能の身体表現性障害、疼痛性障害
  • DSM-5の病気不安症 ー DSM-IVの心気症
  • DSM-5の変換症/転換性障害  ー 転換性障害