慢性腰痛に新たな治療戦略-Cognitive functional therapyの紹介

三木貴弘、西上智彦: 慢性腰痛に新たな治療戦略-Cognitive functional therapyの紹介。保健医療学雑誌, 9:62-70,2018.

  • Cognitive functional therapy
  • 慢性腰痛を生物心理社会モデルに基づいて評価、治療を行う新しい治療体系
  • オーストラリアの理学療法士であるPeter O’Sullivanによって考案された

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  • 慢性腰痛に対してMRIなどの画像所見とその症状所見は一致しないことが報告された檻、生物医学的視点よりも患者自身の考え方や疼痛の考え方、運動恐怖などが疼痛や能力障害のスコアい関連していることがわかっている
  • 腰痛の発症または増悪と画像所見上での進行の度合いは関連がないことが報告されている
  • 運動恐怖を持つ慢性腰痛患者では、腰椎屈曲動作時に、脊柱起立筋が過剰に収縮したことが報告され、慢性腰痛患者は疼痛に破局的な思考をもっており、そのような思考を持っている群は疼痛の訴えや機能障害がより高いことが報告されている
  • 以上をまとめると、患者の思考を含む心理面の変化、運動恐怖の軽減、自己効力感の向上が慢性腰痛に治療に対して有効であり、それを実践するには、患者の状態を注意深く問診し、患者の痛みの考え方、恐怖心、心理的問題などを評価するような生物心理社会モデルを理解した上での問診スキルが必須となる
  • Cognitive functional therapyとは
  • 認知的側面、機能的側面、生活習慣的側面
  • 認知的側面 cognitive component
    • 慢性疼痛に対する考え方を理解
    • 疼痛の発生機序、疼痛の画像所見の関連性、疼痛がどのように変動し修飾されるか
  • 機能的側面 functional component
    • ある動作を行う際に疼痛を避けるような非効率な動作を無意識に生じることや、無意識に過剰な筋収縮を行っており、そのことが疼痛の原因となりうる。そこに介入
  • Lifestyle component
    • 睡眠不足、不活動に介入