小林直人、田子久夫、丹羽真一 認知症とは何か 臨整外 2017;52:605-609
- アルツハイマー型認知症 Alzheimer's disease AD
- 60%
- 緩徐進行(年単位で悪化)
- 近時記憶障害(最近生じた出来事の記憶が欠落、スクリーニング検査で3単語の遅延再生が不可、即時再生はかなり進んでも可能)
- 物盗られ妄想
- 取り繕い反応
- レビー小体型認知症 dementia with Levy bodies DLB
- 10-20%
- 動揺性の記憶障害、幻視(非常にリアル)、動作緩慢・小刻み歩行・振戦といったパーキンソン症状の3つのうち2つ
- レム睡眠行動障害(睡眠時に大声、奇声、手足をばたつかせる)
- 向精神病薬で副作用を起こしやすい
- 血管型認知症 vascular dementia VD
- かつては日本で最も頻度が高いといわれていたが、ADの増加ともに減少
- 階段状に悪化(脳血管障害の出現ごとに機能低下)
- ADとくらべて、歩行障害、易転倒性、構音障害、嚥下障害を認めやすい
- 遅延再生できる ヒントを与えると正答につながりやすい
- 100-7などの簡単な計算ができない。
- 流暢性(りゅうちょうせい)傷害 野菜の名前がでてこない
- 無気力・無意欲・易怒性・攻撃性亢進などといった感情障害も目立つ
- 前頭側頭葉変性症 frontotemporal lobar degeneration FTLD
- 50代前後の発症、若年性認知症の中心的疾患
- 初期のころに記憶障害が目立たない
- 前頭機能の低下とともに、衝動性の亢進を来たし、「我が道を行く的言動」が目立ってくる
- 常動的周遊、時刻表的行動
- 社会的逸脱行為