座談会 線維筋痛症に対する心理的アプローチ

橋本亮太、水野泰行、柴田政彦 座談会 線維筋痛症に対する心理的アプローチ Pracrtice of Pain Management 2014;5(2):72-80

  • 水野 線維筋痛症の患者さんでも、痛みによって社会的な活動が制限された結果、意識が痛みにむきやすくなって慢性化している方や、逆に寝たきりになる不安から活動し過ぎて増悪し動けなくなる、動けるようになると活動しすぎるという行動を繰り返している方といったように、身体の痛みに心理・行動的な状態が強く関与しているケースがよく見受けられ、そうしたタイプは居t米が改善しにくい患者さんだと感じています
  • 橋本 うつ病統合失調症は適切な治療を行わなければ自殺などの非常に悪い予後に至る場合もあるため、専門医が診断・治療をすることは必要だと思います。
  • 橋本 甲状腺機能や内分泌疾患でうつ病とそっくりな症状がでるようなけーすでは内科の先生に診断していただくことが望ましいと思います
  • 水野 患者さん自身が自分の症状をどう捉えているかについて、出来る限り把握することです
  • 水野 そこで必ず必要だと考えているのは、痛い部分に触れながら丁寧に診ることです
  • 水野 痛む部分にしっかりと触れることは、単に情報収集、診察という意味だけでなく、患者さんに「ここが痛いという訴えを私は理解しました。あなたが痛みを感じているということを信じています」というメッセージでもあります
  • 橋本 患者さんが訴える自覚的な症状・自己評価と、ご家族から見た患者さんの様子を比較し相違を確認することで、診断や現在の状態の評価にあたり非常に重要な情報を得ることができます。
  • 橋本 患者さんはストレスを我慢しています。言えないから我慢している場合もあれば、気づかぬうちに我慢している場合もありますが、それを自分自身の言葉で表現することはとても大事です
  • 水野 重要なのは、治らないことに対しての不満ではなく、医療者に真剣に対応してもらえていないという感覚をもっているという点です