リエゾン診療が教えてくれたこと

大谷晃司 リエゾン診療が教えてくれたこと 理学療法magazine 2014;1(1):31-36

  • 整形外科患者の特徴
    • 主訴は、「痛み、しびれ」「機能障害」および治療に対する「満足度」に分けることができます。
  • 非特異的疼痛を訴える整形外科患者の特徴
  • 患者の性格・人格的背景
    • 訴えが細かい、些細な症状を訴える
      • 几帳面で完璧主義、「この痛みさえなければーーー」
    • 訴えが大げさ
    • 自分自身を責める
      • このような患者に遭遇した場合、わたしたち医療を提供する側は患者の訴えを丁寧に聴き、患者自身が困っていることに対して、共感してあげることが大切です
    • 訴えが頻繁に変わる
  • 患者の心理・社会的因子
    • 家族関連
      • 夫婦や親子の不仲、身内の看護、一人暮らし、生活能力の低下
    • 職場関連
      • 人間関係上のトラブル、仕事内容の不満、解雇への不安
    • 疾病関連
      • 疼痛が遷延してくると、重篤な疾患ではないかと不安になったり、重篤な疾患が存在していると勝手に思いこんだりすることがあります。
    • 医療不信
    • 労災補償や交通事故
  • 痛みを訴える患者を診療する際には、その患者の持っているさまざまな背景を理解する必要があるということです。とくに、最近の経済状況、あるいは核家族化の進行に伴い、各個人がもっている背景だけでなく、社会の状況が患者の訴えに大きく影響を及ぼしていることを実感しています。つまり、「痛みは社会を映す鏡である」ともいえます。