- 2014/04/23 第四回 認知行動療法のプロセス2 ケースフォーミュレーション
- ケースフォーミュレーション TD Eells
- 事例の当事者の心理的、対人的、行動的問題の原因、促進要因、およびそれを維持させている力に関する仮説であり、その人に関する複雑で矛盾した情報をまとめ上げる助けになるもの
- 第一段階 ターゲットとする問題を特定する
- 第二段階 問題を維持している悪循環を明らかにする
- 第三段階 フォーミュレーションの妥当性を検討する
- 第4、5段階 フォーミュレーションに基づいて介入し、効果を評価する
- 放送より
- ケースフォーミュレーション(事例定式化、見立て)
- 定義 問題の成り立ちに関しての、明確で、単純で共有された理解
- 問題を認知行動療法の枠組みで検討、当事者の家庭環境も含め悪循環のプロセスを要約、図式化する
- クライエントとの協同作業のプロセスとして行われるものであり、セラピストが一方的に進めるものではない
- 最終的に家族を含む当事者が納得できるものを作る
- ケースフォーミュレーションの各段階
- 第一段階 ターゲットとする問題を特定する
- 第二段階 問題を維持している悪循環を明らかにする
- 第三段階 フォーミュレーションの妥当性を検討する
- 第四、五段階 フォーミュレーションの介入効果を評価する
- ケースフォーミュレーションのポイント
- 心理的要素だけでなく、生物(身体)的要素や社会(対人的)要素を組み込む
- 各要素の組み合わせや、問題を維持する悪循環を何が構成しているか明らかにする
- 1 ターゲットしている問題を特定する
- ターゲット設定のポイント
- 具体的な行動をターゲットとする
- 本人が変えたいと望むものを優先する
- 変化を客観的に観察しやすい行動を優先する
- 変化がおきやすい行動を優先する
- 2問題の悪循環を見立てていく
- 刺激→行動→結果
- 機能分析(行動療法) (スキーマ分析(認知療法))
- 1問題を引き起こす刺激、2刺激に対する反応(刺激によって引き起こされた不適切な行動)、3反応から引き起こされる結果
- 不適切な行動(結果)
- 引き起こされる刺激とその後の結果から切り離せない
- 刺激ー反応−結果の中で問題行動は形成され、維持される
- 問題の成り立ちを考える (ミクロ+マクロ)
- 個々の問題行動 刺激要因→維持要因(ミクロ)
- 刺激要因、刺激状況
- 維持要因、強化因子(悪循環の回路)
- 問題の全体 素因→発生要因→発展要因(マクロ)
- 素因 遺伝体質 親子関係 世代間伝達 家族状況
- 発生要因 人間関係のトラブル 勉学の躓き いじめ
- 発展要因 周囲の無理解 不適切な介入(専門家によるものも含む)
- アセスメントは個別問題 行動(ミクロ)から問題の全体(マクロ)へ
- 1家に変える→2 学校のものが汚染されている→3不安、嫌な気持ちに成る→4 手洗い、消毒→5 一次的な不安が収まる→6問題解決なし→3にもどる 悪循環
- 問題の維持に関するミクロなフォーミュレーション
- 具体的問題の引き金となる出来事を見つけ、それへの反応として起きる思考、感情、行動を明らかにする
- 問題行動の結果起きることを明らかにする
- 問題維持にどうように影響しているのか明らかにする
- 問題行動のコンテキストに注目する
- 引き金(刺激)→反応→結果 影響の連鎖のメカニズム(悪循環)を明らかにする
- 問題発展に関するフォーミュレーション
- 認知行動療法中核をなすフォーミュレーション
- 協同関係 ケースフォーミュレーションを作成する過程を通してクライエントとの間に協同関係を形成し維持する
- 心理教育 ケースフォーミュレーションを活用して問題に関する心理教育を行い、クライエントと共通理解を形成する
- 課題(宿題) ケースフォーミュレーションに基づき、介入方針を定め、クライエントが日常場面で行う宿題を出すことで、認知を変え、行動を変え、悪循環を変える援助をする