慢性頚部痛に対する視線方向認知課題の効果

信迫悟志、大住倫弘、前岡浩、森岡周 慢性頚部痛に対する視線方向認知課題の効果 日本運動器疼痛学会誌 2013;5(2):124-131

  • 痛みの慢性化に伴う中枢変化の一つに、脳内での感覚情報間の不一致が挙げられている。すなわち、予測された感覚フィードバックである遠心性コピーと実際の視覚・体性感覚フィードバックの不一致が痛みの原因とする考えである。その不一致が繰り返されると、体性感覚野の可塑的変化が生じ、表象領域の再編成や知覚の低下、身体イメージの異常や運動イメージの異常が生じることが明らかになっている
  • 身体をみることによる痛みの減少効果が、一次体性感覚野への皮質内抑制により生じることが相次いで報告されており、慢性背部痛においても鎮痛効果が示された