運動器慢性疼痛の診療 現状をめぐる問題

座談会 運動器慢性疼痛の診療 現状をめぐる問題 Locomotive pain frontier 2012(1):5-13

  • 山口 William Osler先生が述べている、「患者がどのような病気をもっているか知ることより、どのようか患者が病気をもっているかを知ることが最も重要」
  • 西田 痛みに対するVASと病気全般に対するVAS
  • 牛田 痛みの強さをVASで評価するとともに、痛み行動という面からも評価を加えています。疼痛性生活障害評価尺度(PDAS), 一般外来患者用不安抑うつテスト HADS
  • 山口 痛みの背景に存在する心理社会的要因が痛みの閾値に大きな影響を及ぼしている可能性が強く疑われます
  • 牛田 われわれが最近行っている評価法 PCS; pain catastrophizing scale
  • 山口 痛みの強さだけで鎮痛剤を選択するのではなく、痛みの病態や患者の背景をも十分に考慮する必要があります。
  • 牛田 特に運動器慢性疼痛の場合、先述したように痛みを完全に消退させることではなく、痛みはあるが日常生活が不便なくできる状態、いわば患者化しない状態に持ち込むことを目標にすべきでしょう
  • 山口 一部の国では、過剰な処方がオピオイドの乱用・依存といった深刻な社会問題を引き起こしています。