痛みの測定と評価

深井喜代子 痛みの測定と評価 JIM 2011;21(12):1010-1014

  • 痛み ヒトにとってはただ不快な情動体験
  • 痛みは主観的な個人体験なので、本人が痛みを認知し、「痛い」という言葉を発した時始めて他者はその存在を知ることができる.医療者は患者の痛みを共有することは出来ないが、注意深く観察することで、多くの痛み関連情報を得ることができる
  • 痛みの治療に先立ち、患者の痛みがどのようなものであるかを知るには、疼痛部位の入念な視診、傾聴的な問診、態度や表情の観察などから総合的に推測するしかない
  • このように痛みは主観的な個人体験であるため、他者の痛みを適切に評価するには、測定方法の原理や特徴を知っておく必要がある
  • 前述したように、痛みは主観的な体験であることから、痛み評価の決め手になるような客観的指標はまだ存在しない
  • 痛みのもっとも標準的な測定・評価の方法は、痛みと痛み関連情報を多次元的に収集し、そこから包括的にアセスメントすることといえよう
  • 医療者が最も重視しなければならないのは患者の訴え(言葉)で、どんな時でも最優先に耳を傾けむけるべきである
  • 患者の痛みの訴えを整理し治療の焦点を絞るには、患者の態度、心理、生活面から多次元的な情報が必要だからである