痛みと精神医学

岡島由佳、岩波明 痛みと精神医学 ー歴史的展望 精神医学 2011;19(1):1-5

  • Engel 1913-1999
    • 器質的所見の割には訴えの多い慢性疼痛患者をpain prone patientと命名し、その痛みは転換ヒステリー症状であると考えた。そうした患者には、「見捨てられる」「置き去りにされる」といった依存体験から来る怒りと攻撃性があり、加えて、そうしたネガティブな気持ちを持つことに対する罪悪感がある。慢性疼痛はそうした怒りと攻撃性に対する処罰、すなわち、罪の償いとして理解できる。そうした患者は、事がうまく運んだり、人生において成功することに耐えられない。そうした患者は、自分にとって大切な相手、地位、立場を失うか、失いかけた時に痛みを訴えやすい。このような患者の慢性疼痛を治療するなら、葛藤の基本にある、依存性、怒り、攻撃性、罪悪感を(精神療法的に)処理する必要があるとした。
  • アレキシサイミア alexithymia 慢性疼痛患者では自らの感情を表す言葉を持たず、痛みでそれを表現することになる
  • DSM IV 診断名から「精神生理的」「心因性」、「身体型」など、痛みの原因が心理的要因にあることを示唆する形容詞を排除した
  • Fordyce 痛み行動を減少させるには、痛み行動に対しては中立な反応、積極的な生活態度や運動量増加に対しては支持的・援助的な対応が治療中心になると

考えた