松平浩 職場での腰痛には心理・社会的要因も関与している 産業医学ジャーナル 2010;33(1):60-66

  • Snook SHは現代社会において大きな問題は、”low back pain(LBP)”ではなく、”low back disability(LBD)”であると述べている
  • 欧米ではbiomedical modelを前提とする人間工学的アプローチに主眼をおいた腰痛対策が立ち行かなくなった背景から心理・社会的要因がより重要視されるようになった biopsychosocial model
  • PACE(pain associated cross-sectional epidemiological) survey 2009.JP
  • JOB(Japan epidemiological research of occupation-related back pain) study
  • LBD新規発生の危険因子
    • 過去の腰痛歴、持ち上げ動作が頻繁、前屈動作が頻繁、対人関係でのストレス、単調な作業、仕事への適合度が低い、不安感が強い、活力がない
  • LBD慢性(遷延)化の危険因子
    • 仕事や生活の満足度が低い、働きがいを感じない、怒り感が強い、不安感が強い、不規則な勤務体制(夜勤)、ベースラインでの強い痛みレベル、小児期の心的外傷経験によるストレス
  • 治るまでできるだけ安静の保つことの意識を植え付けられたぎっくり腰患者の方が、翌年の再発が多い傾向にあった
  • 今後の腰痛対策の展望(私見
    • LBDの予防には、人間工学的アプローチも重視しつつ、心理社会的要因への配慮も必要である。つまり、両者を車の両輪とした対策が不可欠である
    • 車の両輪1 人間工学的アプローチ
      • 基本姿勢としてのpower position、no oift policy
    • 車の両輪2 心理社会的側面への配慮