住谷昌彦 東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター Practice of pain management 2011;2(3):186-192

  • 医療の現場では、いまだ、慢性疼痛の患者さんは、痛みに対して、「心因性だ」、「もう痛くないはずだ」といわれてしまっているのが現状のようです。こうした会話の一つ一つが、患者さんを苦しめる要因の一つになるため、医療者は発言に十分な注意が必要です。患者さんの痛みの訴えに対して、まず共感を示すことは疼痛診療の基本だと私は考えています。
  • 困惑感に溢れ「辛い」が「痛い」に置き換わっていることも少なくなく、患者さんが問題をどのように捉えているのか、一歩踏み込んで話を聞き、どうしていきたいのかを一緒に考えることで、徐々に疼痛が改善する可能性があります。