家族療法の応用

早川洋 家族療法の応用 こころの臨床ア・ラ・カルト 1994;13:40-44

  • 家族療法
    • 患者はこれまで家族の中で中心的な存在であり最も強い権力を持っていた。しかし、家族はこのような患者優位の構造から長男夫婦が中心になっるという世代交代の発達段階にある
    • これらの仮説を基にして、治療に家族を巻き込みながら世代交代を円滑に行わせるような方向に進めることを目標にした
  • 「痛み」は言語的意思伝達が困難な場合に最も有効な非言語的コミュニケーションの手段になり得る
  • Minuchin,S 1984 構造的家族療法の創始者
    • 「現実の人間は個人として完結するのではなく、個人の枠を超えたときに初めて完全なる存在である」と述べ、個人の心理構造を理解するには、家族やそれを取り巻く社会、さらに生態系との関連のなかで理解することが不可欠であると説いている
  • 慢性疼痛をはじめとする心身症患者には身体症状のみを強調するために患者個人にたいする心理療法が困難な症例が多い。そのような場合、患者を取り囲む上位システムを考慮し、その関係を取り扱うことによって問題の解決を図るというシステムズアプローチが有効である