慢性痛患者のグループ治療

湯浅則子、葛西稔 慢性痛患者のグループ治療 ペインクリニック 2010;31(3):307-316

  • 慢性痛は痛みそのものを軽減させることが難しいため、痛みがあっても家庭的,社会的に日常生活を楽しく過ごせるようになることが治療目標となる
  • 慢性痛患者の中には自分の病気を人に知られたくない、知らせることで周囲に迷惑をかけたくないと思う反面、自分の苦しみを周囲に理解してもらいたいという願いを持っている者がいることが推測される
  • 慢性痛の特徴
    • 各種鎮痛治療や神経ブロックで十分な除痛効果が現れない場合がある
    • 痛みの原因がはっきりしない、または全く分からない場合がある
    • 慢性痛の治療目標は、痛みを抑えることではなく、例え痛みがあってもQOLを改善することが大切であることを教育する
  • グルーブ治療 現在は痛みに近い「痒み」の対応で難渋している皮膚科医が一緒に参加している
  • 急性痛においても、不安や恐怖回避反応・破局的思考といった疼痛の慢性化因子をもった患者は、グループ治療に参加してもらい、慢性痛についての認識をもってもらうことで、痛みの慢性化を予防出来る可能性があると考える