長谷川淳史 EBMに則した腰痛治療 ilihori 2010 No 3 122-131
- 慢性腰痛は「認知行動療法」をメインに行うべきだと私は考えています。「腰が痛くて外に出られない」といった間違った認知を、「大丈夫です。出かけられますよ」と励ましながら正しい認知へと導く。そこには運動療法と教育を組み合わせることによって、多くの患者さんが腰痛の苦痛から解放されています。
- 世界の腰痛のガイドラインが推奨しているのは、3つの治療法を組み合わせる集学的治療です。
- 特に認知行動療法では、患者さんから「痛みがどうなのか」ではなく「どういうことが出来るようになったか」を聞くことが大切です。
- 腰痛の患者には3種類ある
- まず「怖い」「何が起きているかわからない」と不安に思う人 安心が必要
- 2つ目は、「とにかく痛くて寝ていられない」「座っていられない」と訴え、「今すぐこの痛みをとってくれ」と望む人 除痛治療
- 3つ目は、孤独や生きづらさに苦しんでいる人 話し相手になる
- 腰痛に対する考え方の根本的変化
- 生物学的損傷モデルから生物心理社会的疼痛症候群へ
- イエローフラッグ
- 腰痛に原因には複数の因子が絡んでいて、そのなかでも心理社会的因子のウェイトが大きいようです。ストレス、不景気、リストラも関係します。報われない仕事をしているとか、仕事に対する不満といったものも腰痛発症の引き金に成り得ることがおぼろげながらわかってきました。
- 今日の痛みはどうと尋ねるのではなく、今日何ができたかを先生に報告しようと思考を向かわせる。症状でなく、できたことに注目させる
- 完治にこだわる必要はありませんよ。レッドフラッグがなければ、腰痛で命をとられることはありません。腰痛を治すために生まれてきたわけでじゃないんです。腰痛はあってもいい。あってもいいから人生というゲームを楽しみましょう。
小川節郎 腰痛治療の現在 ilihori 2010 No 3 132-138
- 菊地臣一
- 非特異的慢性腰痛が治るか治らないかは患者さんと医者との関係に大きく左右される。医者がきちんと話しを聞いてくれる人であれば病状も改善するが、そうではない医者にかかると治らない