p236-7 #95 児玉謙次、細井昌子、有村達之 認知行動療法

  • 認知行動療法 
  • 慢性疼痛に対する認知行動療法ワシントン大学のFordyceが先駆的に導入
    • 学習理論のオペラント条件付け理論を援用して、過度な痛みの訴え(疼痛行動)は家族や治療スタッフによる注目(強化)によって持続するとした
    • 不適応行動の維持因子として認知の問題に焦点が当てられ、非機能的な思考や認知に歪みを修正することで行動の変容を試みる認知行動療法が行われるようになった
    • 慢性疼痛における本療法の実施に際しては、患者の認知や行動を性格に分析(機能分析)することが重要である
    • 本療法では患者の行動を制限し痛みの訴えに対処しないことがあるため、あらかじめそれらの必要性を患者ならびに家族に十分に説明し、理解を促す必要がある。これを怠ると、無理解により患者や家族が強い不満を抱き、ひいては医療不信を招く危険性があることもの留意する必要がある
    • 本療法の実施に際しては、対象となる患者における行動、情動さらに認知の問題に患者自身が自分の問題として取り組み、それらの問題をより適応的かつ建設的に解決し、社会復帰の道へ進んでいこうと努力すること、そして医療従事者や患者家族ら周囲の人々がそれを支持するというシステムを構築することが肝要である