医学のあゆみ 223;(9)は特集 難治性疼痛と闘う
吉村恵 慢性疼痛と神経栄養因子 医学のあゆみ 2007;223(9):687-691
- 難治性疼痛の発生機序
- 炎症後における感覚回路の可塑的な変化は発生過程における変化と類似している可能性
- 脊髄内における可塑的な変化を阻止、または減弱させることで慢性疼痛の治療に結びつくかもしれない
葛巻直子、成田年、鈴木勉 痛みシグナルによる情動障害と帯状回領域の変化 医学のあゆみ 2007;223(9):713-716
- 大脳皮質帯状回領域は不安や抑うつなどの情動行動をつかさどり、痛みの認知に重要な部位であることが近年あきらかとなっている。
- 痛覚の中枢伝導路 内側と外側系
- Willoch PETを用いた幻肢痛の患者の脳局所血流の研究
- 前帯状回に関する限り痛みの性質を問わず、その活動性は主観的な痛みや不快感の程度と相関する傾向がある 帯状核ー痛みの認知に重要な部位
- 帯状回領域においては神経障害疼痛により活性化したアストロサイトは、シナプス伝達を変化させ、神経伝達効率に影響を与える可能性
- 神経障害性疼痛により抑制性GABA神経系の伝達効率が低下している可能性
- 帯状回 情動、感覚の処理ならびに本能行動の制御に関与
- 扁桃体 本能、情動による行動の中枢年の役割
- 扁桃体基底外側核 体性痛情報が入り負の情動反応を引き起こす
- 第一次体性感覚野 感覚や痛覚、圧覚などの体性感覚の認識に関与
- 慢性疼痛により不安感受性が亢進
- 慢性疼痛下では、異なる脳部位を介して疼痛が修飾されることにより一連の変化が生じ、疼痛の慢性化ならびに情動障害を惹起している可能性