本田哲三 慢性疼痛のリハビリテーション 2.リハビリテーション医 MB Med Reha 2002;23:15-18

  • 評価時期
    • 「このように痛みが持続する原因について、なにか心当たりがあればお知らせ下さい」
  • PT 1時間かけて自宅から当院まで週一回通院が可能となる体力の回復
  • OT 日常生活動作の自立および趣味の獲得
  • リハ医師の講義
    • 現代の医療では、すべての痛みが医療従事者により取り去られる訳ではない。したがって自助努力が大切である
    • 痛みの存在が必ずしも、重篤な身体面の障害を意味する訳ではない
    • ゲートコントロール理論でも指摘されているようにいろいろな刺激が増加することが痛みの減少に繋がる。したがって安静よりもむしろ適切な身体活動が重要である
    • 痛みは気持ちが落ち込んだり注意を集中させるとかえって増加する。いつも明るい気持ちで痛みにこだわらない積極的な生活態度が養成される
    • 痛み行動は、その行動により本人にメリットになる結果が得られると持続する傾向がある。一度自分にとっての痛み行動の意味について考えてみることも必要である


中島恵子 慢性疼痛のリハビリテーション 3.臨床心理 MB Med Reha 2002;23:19-29

  • 認知行動療法に基ずくプログラム
    • 痛みをとりあげない、痛みとのつきあい方を習得することが目的
    • 否定的思考から肯定的思考への認知の転換
  • 訓練期
    • ストレス対処への教育的アプローチ 認知行動療法に基ずく痛みの対処行動プログラム
    • 自分の捉え方、感じ方の特徴に気づきそれを言語化してもらうことは、自分の考えや感じ方をまとめることに繋がる
  • 6つのプログラム
    • 1 気持ちを表現する訓練
    • 2 気持ちを伝える訓練 アサーション
    • 3 ストレス場面からの注意をそらす訓練
    • 4 自律訓練
    • 5 リラクゼーション
    • 6 苦手場面の社会的技能訓練
  • いかに自分が自分の気持ちを表現できていなかったかに気づく
  • 痛みに代わる情緒的コミュニケーションの表現の仕方を獲得したことで、痛みを出す必要がなくなり、他者への依存性を表現できた
  • プログラム施行上の注意
    • 安易に心因性ときめつけない
    • 痛み障害的に対応する
    • チーム全体でサポートしていく

水科朋子、坂本一世 慢性疼痛のリハビリテーション4.作業療法 MB Med Reha 2002;23:30-37

  • 痛みがあってもそれにとらわれずに生活ができるようにアプローチを行う
    • 日常生活動作の中で正しい身のこなし方を習得する
      • 目標は具体的なもの 例 布団を干せるようになる、車を運転してスーパーへ買い物へ行く
    • 座位および立位の耐久性をたかめる
      • 結果が数値化できるように工夫する
    • 創造的な活動や仲間付き合いの楽しみを体験する
      • 自己主張にを促す
  • いたみを邪魔にせず、逃げもせず、いつものびのび明るい生活

島田進、本田哲三 慢性疼痛のリハビリテーション 5.理学療法 MB Med Reha 2002;23:38-45

  • pain management programの目標
    • 病気のために安静にしていなければならない、あるいはなにもできないといった痛みに対する患者の否定的な認知に焦点をあて、痛くともやれあできるといった肯定的な認知への変容を促し、身体の活動性を増加させることにある。そして最終的には、痛みを生活の一部として受入れ、充実した生活が送れるようにすること
  • リハビリ中患者の疼痛行動も観察