横田敏勝、小山なつ 痛みはどうして起こるか 臨床と研究 1998;75(7):1462-1461

  • 侵害受容性疼痛 末梢の侵害受容器が刺激されるとおこる
  • 神経因性疼痛 痛みを伝える末梢あるいは中枢神経系の機能異常によっておこる
  • 心因性疼痛 身体のどこにも異常が見いだされないのにおこる痛み
  • 皮膚の侵害受容器
    • 有髄のA線維のなかで一番細いAδ線維 強い機械刺激のみに反応
    • さらに細い無髄線維のC線維 強い機械刺激、熱刺激、および発痛性化学物質に反応する多種侵害受容線維
    • 消したばかりの熱いマッチが趾にふれると、まず一瞬刺す痛みがおこり、それから一秒ちかく遅れて、より長く続く焼け付く痛みがおこる。前者はAδ、後者はC線維
  • 脊髄後根 先天性無痛覚症では、末梢神経の痛覚線維が消失し、Lissauer路が退化している
  • 脊髄後角 侵害受容ニューロン 特異的侵害受容ニューロン(Aδのみ)と広作動域ニューロン(AδとC)がある
  • 脊髄からの上行 対側の前外側索
  • 視床の侵害受容ニューロン
  • 大脳皮質
  • 痛みは不快な感覚性情動性体験である。痛覚伝導系路は外側系と内側系があって、痛みの感覚は主として外側系によって視床に伝えられ、大脳皮質の体性感覚野に投射する。