牛田享宏、池本竜則、篠崎淳、田中茂樹、谷口慎一郎 運動器の痛みと脳の反応 臨整外 2007;42(6):511-517

  • 最終的に脳で痛みを感じる
  • fMRI
    • 皮内痛群 両側の頭頂葉下部(BA40)を中心に、両側の補足運動野(SMA;BA6)、頭頂葉上部(BA5/7)、刺激反対側のSI,刺激同側のSII,後帯状回復域に優位な活動がみられた
    • 筋痛群 主に刺激反対側の島領域後方において優位な活動がみられ、その他の脳の部位に優位な活動はみられなかった。
  • ロディニア 通常は痛みを引き起こさない程度の強さの刺激が痛みを引き起こす症状
    • 正常 痛み刺激で、視床、SI、SII帯状回、小脳の活動性が亢進
    • ロディニア 痛み刺激で、痛みにおもな伝達系である脊髄視床路が終末する視床の活動性は検出されなかったが、SI、SII帯状回(主として前帯状回)および運動野、補足運動野の活動が検出された
  • 健常者と神経因性疼痛患者の両者が痛みタスクによって体性感覚野など比較的共通した部位に活動性を認め、被験者が経験している痛みをfMRIが捉えていることを示唆
  • 視床の活動性が患者群で検出されにくいのは、疼痛の慢性化によって脳が何らかの可塑的変化を引き起こしていることを示唆
  • 帯状回(特に前帯状回)の活動について、これまでの健常者に痛み刺激を加えた歳の研究結果から同情に関与することが知られているが、痛みの強さ、attentionなどに関わる部分があることがわかってきている
  • 補足運動野や運動野の活動についてはattentionと非常に密着した関係がある部分であり、痛み刺激を感じた際の逃避行動の制御などの活動がみられらたものと推察
  • 患者群 繰り返される痛み経験の中で実際に痛み刺激が局所から加えられなくても、脳内で情動的な痛み経験を繰り返している
  • fMRIの問題点
    • 再現性、信頼性