武政龍一 運動療法 慢性腰痛を中心として 痛みと臨床 2007;7(2):116-123
境洋二郎、小山徹平、丹羽真一 慢性腰痛に対する認知行動療法 痛みと臨床 2007;7(2):155-164
- 慢性難治性の腰痛で、心理社会面を含めた心身医学的なアプローチが有用なときがある
- 認知行動療法は、行動認知感情環境身体症状など取り巻く状況を包括的に理解し介入する方法
- 疼痛閾値には個人差があり、障害の程度と痛みの強さが相関しないこともあり、痛みが社会心理的因子と関連していても心身相関に気づかない、またはそれを認めたくない患者も多く、治療者が患者に陰性感情を持つこともある。
- 症状が意図的に作り出されたり、ねつ造されたりした虚偽性障害や詐病以外の病態の患者では、痛みの苦痛をもっており、診察に際してまず痛みに関する訴えを支持的に傾聴し、良好な患者ー医師関係を構築することが重要である
- 認知行動療法とは、個人の行動と認知の問題に焦点を当て、そこに含まれる行動上の問題、認知の問題、感情や情緒の問題を合理的に解決するために計画された構造化された治療法と定義されている
- 腰痛の発症した原因を探るより、その腰痛が慢性的に持続している要因を探ることのほうが有用であることが多い
- 自分の感情がどうであるか気づかず、またそれを言語表現することができにくい状態をアレキサイミア(失感情症)といい、心身症患者には概して多いと考えられる。