2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

松平浩、犬塚恭子、菊池徳昌、寒河江千鶴、有阪真由美、磯村達也 日本版belief symtom inventory-somatizationの開発 言語的妥当性を担保した翻訳版の作成 整形外科 2012;63(2):149-153

筋・骨格系由来とされる痛み愁訴(musculoskeletal pain:筋・骨格系疼痛)は、必ずしも器質的要因が明確化できるとはいえず、腰痛を主とする慢性疼痛は生物心理社会モデル(biopsychosocial model)が適応されるようになって久しい。つまり、心理社会的要因は、…

松平浩、犬塚恭子、菊池徳昌、寒河江千鶴、有阪真由美、磯村達也 日本版Fear-Avoidance Beliefs Quetionnaire (FABQ-J)の開発 言語的妥当性を担保した翻訳版の作成 整形外科 2011;62(12):1301-1306

痛みが難治化する過程を解釈する代表格として恐怖回避モデル(fear-avoidance model)がある。ヒトは痛みを体験すると、深刻な状況でないかと悲観的解釈をしやすく、そのため痛みを増強させる可能性のある行動は回避するようになる。 腰痛は疼痛愁訴の中でもっ…

牛田享宏、池本竜則、下和弘、新井健一、西原真理  神経障害性疼痛の痛覚認知機構 臨床脳波 2010;52(10):556-563

痛みには苦痛を伴うが、痛みは基本的には末梢からの刺激によって引き起こされることから、患者も治療者も痛みを訴える部分である組織に注目されがちである。しかし、痛みは主観的な感情情動体験である”頭(=脳)”で経験するものである。実際、痛みの強さは…

住谷昌彦、宮内哲、植松弘進、山田芳嗣 Complex regional pain syndrome(CRPS)の中枢神経異常と新規治療 臨床脳波 2010;52(10):549-555

ヒト脳は、自己身体と対象物の位置関係に基づいて空間を認知する様式(自己中心座標軸)と空間内に存在する複数の対象物同士の相対的な位置関係に基づいて空間を認知する様式(物体中心座標軸)の2様式を統合して空間を正確に認識している CRPS患者は明所で…

線維筋痛症の精神疾患とのcomorbidtyと治療上の問題点

村上正人、三浦勝浩、丸山秀一郎 線維筋痛症の精神疾患とのcomorbidtyと治療上の問題点 精神科 2011;19(1):21-27 線維筋痛症 1990 アメリカリウマチ学会の分類基準 18ヶ所中11ヶ所以上の圧痛点 2010 改定 診断予備基準 preliminary diagnostic criteria 新…

腰痛と精神疾患

吉田勝也 腰痛と精神疾患 精神科 2011;19(1):10-14 Schofferman 子供時代に親が薬物依存であったり、身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、遺棄による心的外傷を受けると、成人してから慢性腰痛に罹りやすいと述べており、腰痛の背景にあるものが具体的に示さ…

痛みと精神医学

岡島由佳、岩波明 痛みと精神医学 ー歴史的展望 精神医学 2011;19(1):1-5 Engel 1913-1999 器質的所見の割には訴えの多い慢性疼痛患者をpain prone patientと命名し、その痛みは転換ヒステリー症状であると考えた。そうした患者には、「見捨てられる」「置き…

慢性疼痛症候群とは

森本温子、牛田享宏 慢性疼痛症候群とは 理学療法 2011;28(6):760-767 慢性疼痛は、原因として、身体的問題だけでなく、精神医学的、・心理社会的問題が複雑にからみ合って形成されており、個人の性格的傾向から発育・学習過程、家族背景とも関連しながら多…

がん性疼痛への認知行動療法

古川洋和 がん性疼痛への認知行動療法 痛みに対する認知行動療法が、身体科各領域で始まっている 第三回 精神看護 2011;14(6):66-69 がんと闘う患者さんの多くが、がんによる痛み、化学療法の副作用による痛み、それらによって引き起こされる不安や抑うつ(…

緊張性頭痛への認知行動療法

本谷亮 緊張性頭痛への認知行動療法 痛みに対する認知行動療法が、身体科各領域で始まっている 第二回 精神看護 2011;14(5):62-64 緊張型頭痛 首や肩のコリといった身体状況と、さまざまな精神的ストレスが原因と考えられており、代表的な心身症の一つ 頭痛…

口腔領域の慢性疼痛への認知行動療法

松岡紘史 口腔領域の慢性疼痛への認知行動療法 痛みに対する認知行動療法が、身体科各領域で始まっている 第一回 精神看護 2011;14(4):64-68 臨床心理学の分野では、痛みの訴えが長く続く要因として、身体の側面以外に認知の側面(痛みについての考え方や注…

頚椎由来の慢性疼痛管理プログラムの実際

中島恵子 頚椎由来の慢性疼痛管理プログラムの実際 MB Med Reha 74:84-92,2006 慢性疼痛管理プログラム 本田(1997)は、リハ分野における慢性疼痛管理プログラムを提唱し実践してきている。本田が提唱するプログラムの治療目標は、従来の医学のように痛みを取…

木下由美子、細井昌子、藤本恵美、平川さつき、富岡光直、澤本良子、下村誠子、久保千春 強い依存欲求を治療的に有効利用した疼痛障害患者に対するチームアプローチ 心身医 2007;47(5):339-345

人生早期の母親への依存関係は、その後の対人交流に多大な影響を与える。疼痛性障害患者では疼痛を訴え行動(疼痛行動)が主要な問題となることがあり、そのような症例では生育歴上母親との葛藤により満たされなかった強い依存欲求が潜在し、現在の行動様式…