2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

慢性疼痛と脳 連載第三回

半場道子 慢性疼痛と脳 連載第三回 Practice of pain management 2011;2:114-120 誰の体にも本来備わっているはずの中枢性鎮痛機構が、破綻もしくは機能低下してしまったら痛みはどう感じられるか、慢性的に痛みを感じている人の脳内では何が起きているのか…

慢性疼痛と心理社会的要因

松平浩 慢性疼痛と心理社会的要因 –disabilityをともなう腰痛を中心に Practice of pain management 2011;2:106-111 腰痛の治療満足度が不十分な理由としては、病態が明確化しきれない、つまり治療指針が立てづらい非特異的な症状の患者が多く、かつ画像上の…

慢性痛の心理社会的特徴

宮岡等、宮地英雄 慢性痛の心理社会的特徴 Practice of pain management 2011;2(2):102-104 心気傾向の強い症例 身体愁訴を訴えるがそれに見合うだけの身体所見がない場合、精神医学ではその身体愁訴を心気症状と呼ぶ 身体化の医師の対応としては 身体所見を…

座談会 慢性疼痛に対する薬物療法の新たな展開

紺野慎一、山口重樹、井関雅子 座談会 慢性疼痛に対する薬物療法の新たな展開 Practice of pain management 2011;2(2):82-91 (井関) 現代の医学では、どうしても身体の痛みを100%取り除くことはできないため、痛みの受容と共存を図りながら、身体に安全…

脳機能画像における痛覚認知機構の解析

植松弘進、柴田政彦、大城宣哲、松田陽一、井上隆弥、真下節 脳機能画像における痛覚認知機構の解析 筋由来の痛みと皮膚由来の痛みの比較検討 日本運動器疼痛学会誌 2011;3:52-62 1997 Svensson 電気刺激を用いた筋由来の痛みに反応する脳活動と、温熱刺激を…

疼痛治療としての反復性経頭蓋磁気刺激

角田亘、安保雅博 疼痛治療としての反復性経頭蓋磁気刺激 脊椎脊髄 2011;24(5):571-575 反復性経頭蓋磁気刺激 rTMS;repetitive transcranical magnetic stimulation 無痛性、非侵襲性に大脳皮質を刺激 5Hz以上の高頻度rTMS 刺激部位に局所神経活動を亢進 1Hz…

平安の祈り The Serenity Prayer

時々見ている本の紹介サイトに、「平安の祈り」がでてきた。これは、20101215で、書籍「腰痛はである 普及版」で引用されていたことで知っていた。その本では原点がアルコール依存症者自主治療協会となっていたが、その時点で調べた結果では、原典は「道は開…

半場道子 脳からみた慢性疼痛 脊椎脊髄 2011;24(5):565-569

本稿では、1末梢組織の傷口はすでに治癒しており、器質的に痛みの源や原因の特定が不可能で、消炎鎮痛薬、神経ブロックなどの除痛治療も十分に行ったにもかかわらず痛みが長期に続いている、2食欲や意欲の低下、睡眠障害があり、痛みへの不安や恐怖感、イ…

慢性疼痛の治療 患者さん用ワークブック 認知行動療法によるアプローチ

慢性疼痛の治療:患者さん用ワークブック-認知行動療法アプローチによる‐作者: ジョン・D・オーティス,伊豫 雅臣,清水 栄司出版社/メーカー: 星和書店発売日: 2011/07/05メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 8回この商品を含むブログ (1件) を見る

慢性疼痛の治療 治療者向けガイド 認知行動療法によるアプローチ

慢性疼痛の治療:治療者向けガイド‐認知行動療法によるアプローチ‐作者: ジョン・D・オーティス,伊豫 雅臣,清水 栄司出版社/メーカー: 星和書店発売日: 2011/07/05メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 20回この商品を含むブログ (1件) を見る

学際的痛みセンター

井上真輔、牛田享宏、西原真理、新井健一 学際的痛みセンター 臨整外 2011;46(4):558-563 痛みという現象は本来、生物的な問題だけではなく、社会、心理的な要因を持つ多因子性である。 慢性痛には、George L Engelが1977年にScienceに発表した”疾病には生物…

慢性疼痛の心理療法 森田療法の観点から

中村敬、川上正憲 慢性疼痛の心理療法 森田療法の観点から 脊椎脊髄 2011;24(5):421-425 ICD-10 慢性疼痛に相当する持続性身体表現性疼痛障害の定義 痛みは、主要な原因として影響を及ぼしていると十分に結論できる情緒的葛藤や精神的社会的問題に関連して生…

西原真理、大鶴直史、乾幸二、下和宏、新井健一、牛田享宏 痛みの可視化 脊椎脊髄 2011;24(5):361-366

痛みは臨床的な視点から感覚(sensation)というよりも知覚(perception)と考えた方が理解しやすい。一般的に感覚は末梢の感覚器官を経由し外的環境、身体内部情報を受容するシステムとされ、知覚は感覚から得られた情報を過去の学習、経験、知識と照らし合わせ…

住谷昌彦、竹下克志、原慶宏、山田芳嗣 痛みの量的評価と質的評価 脊椎脊髄 2011;24(5):354-360

痛みの量的評価尺度 口頭式評価尺度 verbal rating scale 視覚的評価尺度 visual analogue scale 数値化評価尺度 numerical rating scale pain face scale 痛みの質的評価 マギル疼痛評価票 McGill Pain Questionnaire 78個の痛みの性質を表す単語が列挙。疼…

慢性疼痛に対する新しい薬物

飯田宏樹、山口忍 慢性疼痛に対する新しい薬物 新しい薬物を含む治療選択の考え方 臨整外 2011;46(4):311-316 NNT;numbers needed to treat(有効性)何人に一人効果がでるか(50%の軽減) NNH;numbers neede to harm (安全性) 何人に一人副作用がでるか NNT…

慢性疼痛の評価と治療における薬物療法の位置づけ

川井康嗣、大賀美穂、原田英宣、又吉宏昭、松本美志也 慢性疼痛の評価と治療における薬物療法の位置づけ 臨整外 2011;46(4):303-310 慢性疼痛には、急性疼痛が遷延化したものと、心理社会的アプローチが中心的治療になるような、いわゆる難治性慢性疼痛との2…

慢性疼痛の評価と治療における薬物療法の位置づけ

川井康嗣、大賀美穂、原田英宣、又吉宏昭、松本美志也 慢性疼痛の評価と治療における薬物療法の位置づけ 臨整外 2011;46(4):303-310 慢性疼痛には、急性疼痛が遷延化したものと、心理社会的アプローチが中心的治療になるような、いわゆる難治性慢性疼痛との2…

慢性疼痛患者のとらえ方

村上孝徳、山下敏彦 慢性疼痛患者のとらえ方 臨整外 2011;46(4):299-302 慢性疼痛は、急性疼痛の概念では理解されない疼痛症状のすべてを「慢性疼痛」という名のファイルに押し込んだようなものであるが、患者像には一定の特徴を有していることも確かである …

筋骨格系の痛み その慢性化のメカニズム

仙波恵美子 筋骨格系の痛み その慢性化のメカニズム 臨整外 2011;46(4):291-298 「ロコモ」と「メタボ」の予防は、生活の質を維持するために最も重要な条件である 皮膚からの痛覚受容線維は脊髄後角のI,II層に終末し、筋肉からの痛覚受容線維はI,V層に終末す…

疼痛治療の今日的意義

西原真理、牛田亨宏 疼痛治療の今日的意義 臨整外 2011;46(4):287-289 これからの疼痛治療は、より組織だった、構造化されたものとなっていかなくてはならない IASP 疼痛の定義 痛みは主観的な症状であり、末梢組織の障害から、脊髄、大脳皮質の機能異常まで…