2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

言葉も人に物理的な痛みを与えるらしい

はてブ via ナショナルジオグラフィックニュース via PNAS PNASでは全文pdf公開されている They demonstrate that rejection and physical pain are similar not only in that they are both distressing - they share a common somatosensory representatio…

中井吉英、阿部哲也 慢性疼痛の心療内科的治療 医学のあゆみ 2002;203:81-85

急性の痛み biomedical model,原因−結果といった線形モデルによる診断が可能 慢性の痛み bio-psycho-social-behavioral model 慢性疼痛患者の心理的要因は、痛みのために引き起こされた二次的要素が強いと考えられる 今後は慢性疼痛に陥らせないような予防的…

抗うつ薬

塩入俊樹 抗うつ薬 心療内科 2002;6:453-458 慢性疼痛では、急性疼痛と異なり痛覚系自体が異常となり疼痛が引き起こされており、痛み自身が病気である 抗うつ薬、とくに三環系抗うつ薬(Tricyclic Anti depressant:TCAs)は慢性疼痛の管理に関して重要な役割を…

“痛み”の精神身体医

三浦岱栄 “痛み"の精神身体医学(1) 精身医 1066;6(4):206-210 三浦岱栄 “痛み"の精神身体医学(2) 精身医 1066;6(5):270-274 三浦岱栄 “痛み"の精神身体医学(3) 精身医 1066;6(6):344-347

ペインクリニック

塩谷正広 ペインクリニック 心療内科 2002;6:442-446 痛みはあくまでも主観的経験であるゆえに、人格(抑うつ、転換性性格)や情動変化、家庭環境、社会的環境により痛みの表現は変化し、左右される 手術を繰り返す患者(MOB)には傾向が見られる。すなわち痛…

難治性疼痛患者の問題点

増田影則、八反丸健二、八反丸真人、鄭忠和 難治性疼痛患者の問題点 心療内科 2002;6:437-441 今回経験した難治性の慢性疼痛症例の発症前の特徴 職場や家庭では過剰適応的で、それぞれの分野で活躍し、実績を上げ、周囲からの評価も高かった 男性 几帳面で徹…

町田英世、中井由英 プライマリーケアでの慢性疼痛治療 −患者の訴えをどうとらえるか 心療内科 2002;6:432-436

Loeserのモデルは、「痛みは組織損傷によりひきおこされる知覚神経の入力である痛み知覚(nociception),その入力の中枢神経での感受と理解される痛み(pain),中枢神経のネガティブな情動反応として生じる苦痛(suffering)、そのけっかであり、唯一客観的に認識…

本田哲三 慢性疼痛―総論 心療内科 2002;6:425-431

IASP 1986 疼痛の定義 「実際のおよび潜在的な組織損傷に関係、あるいはそのような損傷に関連して述べられるような不快な知覚および情緒的な体験 疼痛理論の変遷 デカルト(1664) 急性・慢性をとわず疼痛は感覚的経験の一種でありその程度はおおむね組織損傷…

慢性疼痛の大脳運動野刺激療法

斎藤洋一 慢性疼痛の大脳運動野刺激療法 精神科 2006;9(4):301-305 MCS;motor cortex stimulation 2004年から、ナビゲーションガイドによる高頻度経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)の治験をしており、rTMSによる一次運動野刺激が有効な症例にMCSを積極的に勧めている…

慢性疼痛の電気痙攣療法(ECT)の適応とその効果の特徴

鮫島達夫、土井永史、米良仁志、竹山静夫、諏訪浩、中村満、一瀬邦弘、木納賢、加藤進昌 慢性疼痛の電気痙攣療法(ECT)の適応とその効果の特徴 精神科 2006;9(4):293-300 電気痙攣療法(electroconvulsive therapy:ECT)とは、経頭蓋的電気刺激により、人工的に…

慢性疼痛の薬物療法

桑原秀樹、塩入俊樹 慢性疼痛の薬物療法 精神科 2006;9(4):288-292 Fordyceが慢性疼痛の臨床像を知覚としての疼痛と、疼痛に対する随意運動である疼痛行動とに分け、慢性疼痛の場合、その治療の対象となるのは、疼痛行動であると主張したように、慢性疼痛の…

清水由江、細井昌子、久保千春 慢性疼痛―身体医療と精神医療の境界疾患 精神科 2006;9:279-287

急性疼痛 身体組織になんらかの障害が存在していることを示す警告信号 慢性疼痛 Bonica 急性疾患の通常の経過あるいは外傷の治癒に相当する期間を一ヶ月以上超えて持続するか、継続する痛みの原因となる慢性の病理的プロセスと一体となっている疼痛、もしく…

心因痛の精神力動について

長沼六一 心因痛の精神力動について 臨床精神医学 1973;2:95-102 Freud 最初の労作 ヒステリー研究 痛みに関する積極的見解 不快な感情は抑圧過程を通して身体的な痛みに転換される 痛みはしばしば象徴的意味をもつ 多くの遺伝的影響をうける 常に器質的な基…

心気症者の痛みについて 

長沼六一 心気症者の痛みについて 精神医学 1972;14:41-47 「自分の身体におこる軽微な変化に対する過度のとらわれ」から、あいまいで主観的な身体症状を訴え続ける「心気症」という疾患は、古く紀元前から記載されている。 一般科の医師たちは医師という社…

慢性疼痛ケアへの願望

伊藤義徳 慢性疼痛ケアへの願望 ー痛みのある自分らしい生き方を探して こころのりんしょうア・ラ・カルト 2009;28(1): 文脈的認知行動モデル 慢性疼痛の悪化、持続要因は「回避と制御」「認知的フュージョン」「理由づけ」「正しくあること」の4点である …

菊地臣一 私の座右の銘 CLINICIAN 2009;56(579):0-2

この道を泣きつつ我の行きしこと我がわすればたれか知るらむ(田中克己) あの頃は辛かったと覚えている日々は、実はもっと辛かったというのが世の常(北上次郎) どんな人間もそれまでの人生によって形づくられた自分を変えることは難しい 男というものは人…

笠原諭、丹羽真一 精神科的アプローチの実際 調剤と情報 2011;17:171-174

医学的に説明が困難な慢性疼痛の患者を診断する際には、不安障害、気分障害、精神病性障害の可能性がある。それは身体表現性障害の各障害に有効性の確立した治療法はまだないが、不安障害、気分障害、精神病性障害に対してはそれぞれに有効な治療法が確立し…

整形外科的アプローチの実際

村上孝徳 整形外科的アプローチの実際 調剤と情報 2011;17:167-170 慢性疼痛とは「治療に要すると期待予想される時間の枠組みを超えて持続する痛み、あるいは進行性の非がん性疾患による痛み」と国際疼痛学会では定義している 慢性腰痛患者のCMI,SF-36 CMI …

山田雄士、西原真理、新井健一、牛田享宏 学際的アプローチの実際 調剤と情報 2011;17:157-160

運動器の慢性痛患者の治療にあたり、目指すところは“痛みの除去はもちろんだが、除去できない場合には痛みをある程度受け入れた上で、QOL(quality of life)を維持した生活を送ることができる状態にもっていくこと”と考えられる いずれの場合も、ほとんどの患…

西原真理、牛田享宏 慢性の痛みとその課題 調剤と情報 2011;17:153-155 

IASPの痛みの定義で注目すべきは、1.組織損傷そのものによって引き起こされたものだけではなく、「関連があるもの」は痛みとされ、2.痛覚という知覚が中心ではなく、不快さなど情動的な経験をあげている点である 2009年には厚生労働省により「慢性の痛みに関…

座談会 慢性疼痛を考える

座談会 慢性疼痛を考える こころの臨床ア・ラ・カルト 1994;13:45-55 フォーダイスの発想の転換というのは、それまで痛みというのは、身体的であれ、心理的であれどこかに何か悪い部分があって、そによっておこる症状であるという、殆ど疑いをもたれていなか…

家族療法の応用

早川洋 家族療法の応用 こころの臨床ア・ラ・カルト 1994;13:40-44 家族療法 患者はこれまで家族の中で中心的な存在であり最も強い権力を持っていた。しかし、家族はこのような患者優位の構造から長男夫婦が中心になっるという世代交代の発達段階にある これ…

慢性疼痛臨床における行動理論の応用

小宮山博朗 慢性疼痛臨床における行動理論の応用 こころの臨床ア・ラ・カルト 1994;13:33-39 行動理論 レスポンデント学習、オペラント学習 Fordyce オペラント学習の原理を導入することにより、痛みのメカニズムにおける個人と環境との相互作用としての機能…

疼痛“体験”としての慢性疼痛 −臨床心理士の立場から

児島達美 疼痛“体験”としての慢性疼痛 −臨床心理士の立場から こころの臨床ア・ラ・カルト 1994;13:26-32 器質的所見がない、とされるのは時間的経過すなわち慢性化をたどる中で、発症時での病態生理学的な所見ではもはや説明のつかない多くの要因が関与した…