2010-06-01から1ヶ月間の記事一覧

痛みの話―生活から治療から研究から作者: 佐藤愛子,谷口俊治,東山篤規,奥富俊之,宮岡徹,畑山俊輝出版社/メーカー: 日本文化科学社発売日: 1991/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (1件) を見る p29 ところで、このような、痛み…

人は痛みからどう解放されるか作者: 保阪正康出版社/メーカー: ベネッセコーポレーション発売日: 1998/03メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (1件) を見る ジョン・ジョセフ・ボニカ 1917 イタリアシシリー生まれ 12歳 ムッソリ…

痛みの記憶

菅原道哉 痛みの記憶 医学のあゆみ 2002;203(1):54-58 疼痛は痛みを感じている人だけの主観的体験である。したがって医療者は先入観を捨て、痛みを訴える人の主観的体験を素直に聞くことが大切である。痛みは感覚と感情の複合体験である。痛み感覚も痛み感情…

鎮痛薬感受性個人差の遺伝的因子

小林大輔、笠井慎也、池田和隆 鎮痛薬感受性個人差の遺伝的因子 Anesthesia 21 Century 2008;10(3):1926-1934 鎮痛薬感受性個人差には、環境因子だけでなく遺伝的因子があると考えられている 患者それぞれでのオピオイド鎮痛薬の感受性に大きな差異があり、…

痛みとスピリチュアルケア

村田久行 痛みとスピリチュアルケア ペインクリニック 2010;31(3):327-335 スピリチュアルペインとは、終末期がん患者の場合、死に直面する患者が体験する生きることの無意味、無価値、空虚などの苦痛のことであり、「自己の存在と意味の消失から生じる苦痛…

慢性痛患者のグループ治療

湯浅則子、葛西稔 慢性痛患者のグループ治療 ペインクリニック 2010;31(3):307-316 慢性痛は痛みそのものを軽減させることが難しいため、痛みがあっても家庭的,社会的に日常生活を楽しく過ごせるようになることが治療目標となる 慢性痛患者の中には自分の病…

線維筋痛症の診断と治療に活かすNarrative based medicine

村上正人 線維筋痛症の診断と治療に活かすNarrative based medicine ペインクリニック 2010;31(3):299-306 最近注目されてきた線維筋痛症は、慢性疼痛の代表的かつモデル的な疾患であり、その発症と経過には多くの心理社会的ストレス要因が関与しており、ま…

細井昌子 ペインクリニシャンによる慢性痛患者への心理学的アプローチ Anet 2010;14(1):10-12

痛みの認知行動学的研究が欧米で進歩する中で、慢性痛をもつ患者では、痛みに対する悲観的な認知・思考である痛みの破局化(catastrophizing)が治療対象として重要であることが理解されてきた 痛みの治療の中で形成されてきた医療不信は、難治例であればるほ…

細井昌子 慢性疼痛の心身医療におけるNarrative Based Medicine -実存的苦悩に焦点を当てた積極的傾聴- ペインクリニック 2010;31(3):289-298 後半

現代日本における慢性疼痛のnarrative 年代性別によるプロトタイプ 主人在宅ストレス症候群 60歳前後あるいはそれ以降の主婦の慢性疼痛症例に多く観察される背景 仕事一筋で無趣味だった夫が定年退職などで長時間自宅に滞在することで、妻の心身の状態が悪化…

細井昌子 慢性疼痛の心身医療におけるNarrative Based Medicine -実存的苦悩に焦点を当てた積極的傾聴- ペインクリニック 2010;31(3):289-298 前半

慢性疼痛難治例の特徴として、医療不信とそれに基づくドクターショッピングがある。 そういった経過を経た慢性疼痛をもつ個々の症例のnarrativeを丁寧に傾聴すると、医療側のnarrativeともいえる生物医学的な因果関係論に基づく病態仮説では包含しきれない患…

痛みとドパミンシステム

紺野慎一 痛みとドパミンシステム ペインクリニック 2010;31(3):281 半場道子 痛み刺激が加わると腹側被蓋野から大量にphasic dopaminが放出される。Phasic dopamineの放出により、側坐核や腹側淡蒼球でμオピオイドが賛成され痛みが抑制される。このシステム…