2017年の5冊

#1

誰がアパレルを殺すのか

誰がアパレルを殺すのか

  • アパレル 大量の売れ残りを前提に価格を設定しムダな商品を作りすぎている
  • 需要に関係なく、単価を下げるためにだけに大量生産し、売り場に商品をばらまくビジネスモデル
  • ワールド 神戸メディテラスをパルコンに売却
  • OEMメーカに売れ筋商品を持ってきてくれと頼み続けるうちに、自ら売れ筋を生み出す力をうしなっていった
  • OEMが招いた同質化 この3点違うブランドのタグがついているが、それ以外は同じ
  • 2015 中国からの輸入 68%
  • イタリア モンクレール 福井の中小企業の顧客リスト
  • 10年で2割増えたSC
  • 百貨店 消化仕入れ 売り場をアパレル企業とに提供するが、商品の所有権はアパレル企業。販売員の確保まで含めて、アパレル企業が負担 売れた分だけ百貨店が仕入れたとみなし、代金をはらう。百貨店は在庫リスクを負わない
  • 販売員 手取り18万、実家ぐらしがスタンダード
  • アパレル業界 自分たちがやってこなかった取り組みを始めたり、既に競合相手が多数存在するにもかかわらず、新たな分野へ進出したりすることが解決策になるという考え方が蔓延
  • アパレル業界はほかの産業(キッコーマントヨタ)の優れた点を学ぼうとせず、閉鎖的
  • ザラはトヨタの生産システムを徹底的に勉強
  • 日本の仕入れ担当 海外では買う側 海外について売る市場だという観点でとらえていない
  • アメリカ everlane 全米2店で30億以上
  • オンラインSPA 店舗、中間業者、大規模な宣伝といったこれまであって当然、やって当たり前をなくした 在庫も極力持たず、売れ残りのセールもしなくてすむ 生地、縫製、流通コスト、関税等すべて公開
  • MM.LaFleur online SPA
  • メガネ ワーピーバーガー
  • 靴 GREATS
  • zozotown ブランドを横断して統一した基準のサイズで比較できる
  • nano universe 予約機能で需要予測
  • amazon シャツのonline SPA
  • zozoused
  • 母親 サイズアウト 大きくなって切れなくなった
  • メルカリ
  • 買うから借りる
  • air Closet
  • アメリカ Rent the Runway
  • 縫製職人と、縫製をしてほしい一般人をマッチング Nutte
  • Creema ハンドメイドの売買
  • アメリカ Etsy
  • 島精機 ホールガーメント ユニクロ
  • 浜松のかつての老舗百貨店 松菱の創業者一族 谷正人 セレクトショップ フリークスストア3店買い取り、ステュディオス
  • トウキョウベース 国内ブランドのみをあつめたステュディオス、SPAブランドユナイテッドトウキョウ(原価率50%)
  • 定価販売率が6割以下のブランドは切る
  • ☓「この商品、すごくいいんだけど売れないんだよね」
  • ◯「ちゃんとお金をだして買ってもらえるのがいい商品」
  • アパレル業界に大器晩成はない。20-30代むけマーケットで戦うなら、若くして芽が出ない人間は生き残れない 売上の10%を給料に
  • 桃太郎ジーンズ 岡山 旧式お力織機 ゆっくり織るため、表面に凹凸、絶妙なむら 履き込んでいくと美しい色落ち 国外へ自分で売り込み 後発組は一緒に市場をつくる仲間
  • メチャカリ 服借りホーダイ ストライプインターナショナル(アースミュージックエコロジー
  • 貸した商品を中古品として販売
  • 来年にごみになる商品を売らない ミナペルホン、パタゴニア
  • 短期間の大量生産は何も生まない
  • アパレル業界が内包する問題は多くの日本企業に共通する。高度経済成長の栄光を忘れられないまま、バブル崩壊やデフレといった環境変化を直視しようとしなかった。場当たり的な対処を続け、気づけば業績不振は深刻さをましていった。それでも業界内のライバルとの競争ばかり明け暮れ、時代から取り残されていった。痛みを伴う改革を酒、ひたすら現状維持に固執する思考停止の姿勢が、今、この瞬間もアパレル業界を窮地に追い詰めている
  • 無自覚な自殺の構図は、日本経済全体を漂う閉塞感の温床にもなっている容易、記者には映った
  • 大規模再編は、むしろこれから始まる
  • これはチャンスでもある。長く続いてきた業界の悪習や不合理と決別する絶好の機会だからだ。既存のビジネスモデルが限界を迎えたのであれば、それを自己変革の好機ととらえればいい。市場から脱落する

企業が増えるのであれば、逆に強いビジネスモデルを構築した新興勢力はより成長しやすくなるはずだ

  • 絶望するにはまだ早いが、流れを変えるならいましかない

#2

  • 三池崇史 十三人の刺客
  • 結論から言えば、幸福とは、いや幸福だけでなく、人生において必要なことは、優先順位をつけることに、ほkならない
  • 偉大な人間は、「あれも、これも」とは言わない。「あれか、これか」をちゃんと言える
  • 犠牲にするのは時間だけではない。優先順位をつけるということは、何かを捨てるということだ
  • 僕が言えるのは、「順番をしっかり考えたほうがいいよ」ということだけだ。しかも、その順番を考える行為は生涯続くのだ
  • それでも別れないのは、優先順位の上位に分かれるという選択肢が入ってこないからとうことだ
  • スタッフにとって良い監督とは? 良い仕事をくれる監督。作品が売れて、次の仕事もくれる監督。それだけだ。
  • フェイクニュースの里 マケドニア もともと旧ユーゴへの経済依存度が高く、独立後は経済不振に陥り、生活が苦しい。フェイクニュースが一種の産業になっている
  • 嘘でもいいから、自分が見たいものを見たいという人間の根本的な心理に基づいて発信されている
  • 政治家や軍人は、最悪を想定してものごとを考える。逆に言うと、最悪になってもなんとかなるように手を打つのが、政治家や軍人の仕事である。そしてそれは彼らの義務でもある。「こんなふうになったらいいな」などと、楽天的にものごとを考えることは、本来、政治家や軍人には絶対に許されない行為だ。
  • だが、日本人は総じて最悪に備えることが苦手である。風土や歴史のせいかどうかは知らないが、「いつもこうなったらいいな」と考える傾向がある。その段階で思考が止まっているならまだしも、往々にして「こうなったらいいな」「こうなるはずだ」に変化するのが日本人の思考方法の悪いところである
  • 都合の悪いことは考えない。先送りにする。だが、先送りする間は多少なりともリスクについて意識はしているのだが、先送りを重ねるうちに、リスクそのものがなかったことになってしまう
  • リアルタイムを追求すればするほど、誤情報の山を築いてしまったインターネット
  • デンマーク ラース・フォン・トリアー ドッグウィル、マンダレイ アメリカの社会の暗部をえぐる作品
  • 体験したのみ語るべしというのは、一見まともな意見のように見えて、実は重大な言論の否定である
  • 自分の役割があって、それが誰かの役にたっていることが、人が幸福感を得るための条件
  • 政治家に僕は人格すら要求しない。人格だけではとうてい処理することができない案件が、世の中には山のようにあるからこそ政治が必要なのだ。
  • 人間性の限界の先を扱うのが政治の本来の仕事でラウ
  • 世の中では、だれも戦争など望んではいない。だが、いざとなったら戦うぞという覚悟がなくては、戦争を止めることもできない。平和主義者がかえって戦争を拡大させるということはいくらせもある。
  • 調整能力と説明能力があることだけが、政治家の資質である
  • だから生活が大事などと口走っている政治家が一番信用ならない
  • 国というレベルでやれることは、僕の考えでは3つある。国防と外交と基礎研究だ。巨額の費用を要するこれら3つのことは、地方自治体や民間レベルではとてもできないことだ
  • 使命のために覚悟をきめるということ
  • ユリウス・カエサル 人間はみな自分の見たいものしか見ない
  • レッド・ドーン 北朝鮮がいきなりアメリカを占領するという話
  • スカイ・クロラ 映画

#3

丹羽宇一郎 戦争の大問題

丹羽宇一郎 戦争の大問題

  • 戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が政治の中枢となったときはとても危ない。田中角栄
  • 解釈は勝者によって決められる
  • 歴史とは、勝者による、勝者のための、勝者の物語である
  • 人は本能的に、全体の利益以上にまず自らに望ましい情報に向かっていく
  • 人は非常時になると当然のことが見えなくなる。冷戦な判断ができなくなる
  • 兵士が発砲する理由は何かという質問に、戦争体験のない人は、「撃たないと撃たれるから」と答え、戦争経験者は、「撃てと命令されたから」と答える
  • 戦争で生き残った人に共通するのは運
  • 戦場から生還した人々はけっして運がよかったからだけではない。「生きたい、行きて帰らなければ」という強い意志があったから、運を拾うことも出来たのだろう
  • 事前の徹底的したリサーチ、綿密な計画、適切な予測の裏付けがあった、初めて、「勇気ある決断」に到る
  • 戦術の誤りは戦略で補うことができるが、戦略のあやまりを戦術で補うことはできない
  • 日本が選ぶべき道は中国との軍拡競争ではない。
  • 現在疎遠になっているように見える両国の関係をより深める努力を一層深化させることが、真の我が国の安全保障である
  • 2002/9 小泉首相金正日委員長が調印した日朝平壌宣言では、北朝鮮がNPTを遵守し、IAEAによる査察を受けて核開発をやめ、その見返りに日本は北朝鮮と国交を樹立し、経済協力を行うことを定めていた。もし北朝鮮が査察を拒めば、日本は経済協力をとめることをで手綱を握れた
  • 北朝鮮の核開発を日本がほぼ独力で阻止したことに世界は驚嘆した
  • 清水信次会長 北朝鮮に援助をして国民を豊かにしてやることだ。国民が豊かに生活できるようにすれば自然と独裁体制に疑問を持ち始める。援助をして北朝鮮の国民を豊かにしてやることが、最もよい北朝鮮対策だ
  • 防衛力で望ましいのが、戦わずして勝つこと
  • 潜水艦を発見する能力 日本の海上自衛隊が勝ることもある 人の技量の差
  • マリアナ沖海戦で日本軍は壊滅的な損害を受けた。あの段階で日本は戦争をやめるべきだった。
  • マリアナ沖回旋ででは日本軍戦死者3500名、空母三隻と艦載機のほぼすべてを失った。この段階で太平洋の制海権、制空権はアメリカのものとなった
  • いま伝えたい日本人の誇るべき真髄 清水信
  • 中国南部に侵攻した日本軍兵士の安全を保証し、十分な食料を与え、使役することなく日本へ帰したのも中国であった
  • 巨額の不良債権を抱えた企業は往々にして、債権のうちの良質な部分にばかり注目しようとするし、巨大なプロジェクトが停滞したときには、経営者に上がってくる情報は明るい見通しだけだ
  • 経営者がバッドニュースファーストを基本姿勢にしていれば、心地よい情報ばかり上がってくることはない
  • 人々がついていこうとするのは、往々にして正しいことを言っていいる人の後ではなく、強気で勇ましい発言をする人のあとだ
  • 心を学ぶとは、結局、人に学び、本に学び、体験仕事のなかで学ぶしかない

#4

AI経営で会社は甦る (文春e-book)

AI経営で会社は甦る (文春e-book)

  • しょせん当たらない予測に時間とカネを使うことよりも、予測不可能なイノベーションがもたらす変化に迅速かつ鮮烈に対応できる組織能力、経営能力、すなわちwhen,how,whoに関わるもっと根源的な戦闘能力を高めておくことのほうが、革命期においては重要な意味をもつ
  • 過度の焦燥感や無用な悲観論に流された情緒的な経営判断の誤りは、確実に「負ける」原因、「稼げなくなる」理由になるのだ
  • イノベーションを起こすのは自社以外である確率であることが圧倒的に高い
  • 事業ポートフォリオ、機能ポートフォリオの入れ替えを常態的かつ臨機応変におこなえない企業は、非常にヤバイ状況に追い込まれる
  • 人間の苦手のところから置き換わるのが道具の基本原則
  • 超優秀はエンジニアに働いてもらうには
    • 人材のシェアリングエコノミー
    • 人を雇い入れるとしても、ライフタイムxフルタイムで囲い込むことは最初から諦める。このテーマで5年間やってください。場合によっては副業もOKですよ。という形にすればいい
  • 世界選抜のリーグ戦 会社組織モデルと相性がよくない
  • チーム単位で動く トヨタ人工知能研究所TRIがギルプラットを採用すると彼の仲間がごそっりついてくる
  • 超優秀は人材が楽しんで働ける環境を用意する
  • プロフェッショナル型組織とサラリーマン型組織
  • 日本的経営とは、同質性、連続性、すり合わせ、ボトムアップ、コンセンサスの経営、「あれも、これも」の経営。
  • 「あれか、これか」の選択のための経営リーダーシップ、トップダウン的要素を適時、的確に作用させるしかない
  • スマイルカーブ現象 
  • 大胆にすてる経営が求められる
  • 不確実なものは不確実なものとして経営すること、これが私たちが賢者となるための「歴史からの学び」なのである
  • 従来型のネットビジネスの活路は、「ライブ」x「タイムゾーン」戦略にあり
  • ローカル経済園を構成する産業の多くは対面型で、サービスを提供する人間がリアルかつリアルタイムでそこにいなくてはならない同時同場型のビジネスなので、グローバル化が進んでも空洞化しにくい。ユーロ安、低い法人税率、労働市場改革で製造業絶好調に見えるドイツでさえ、ほぼ日本と同じで、約8割の労働者はローカルな産業で働いている
  • インダストリー4.0とは、トヨタが系列内でやっていることを、欧米のよりオープンな環境でもできるかという問なのだ
  • AIが人間に勝ったこと自体は驚くに値しない。あえていえば、この勝利はAI開発者が棋士に勝ったというのが正しい
  • コマツ 競争領域と協調領域のメリハリをはっきりつけ、かつ産業構造の変化を先取り
  • ハードウエアのメカニズムの部分、中でも生産技術で圧倒的なノウハウをもっており、そこが自分たちの唯一無二の強みだと知っているから、コアになるダントツコンポーネントは国内のマザー工場で徹底的に作り込み、その核心部分はだれにも明かさない。しかし勘定系猫舞はもちろん、生産管理でさえ協調領域と位置づけ、ERP(統合基幹業務システムソフト)の標準ベストプラクティスを徹底的の取り入れる。
  • その一方で、稼働状況のモニタリングを通じた市場動向の早期把握、盗難対策、販売与信やメンテナンス、さらには無人運動サービスといった、付加的だが、産業のサービス可(スマイルカーブ化)が進めば、競争上、決定的な意味をもつサービスについてh,自分たちに強みがないことがわかっているから、どんどん外部の技術を取り入れて、自前のハード技術にGPSやAIといってデジタル技術を連動させて、サービスを先行的に展開する
  • オープンイノベーションといいながら、またぞろそのためのAIを自分たちで開発しようとする傾向が見て取れる。すでに有効な技術があるのだから、それをパクればいいのに、自力で画期的なAIを作ると言い出すのは、日本企業の悪い癖だ
  • スマイルカーブ ある製品のバリューチェーン全体を見た時に、川上(企画、設計、部品)と川下(販売、メンテナンス)側の利幅が厚くなる一方、真ん中の製造工程(組み立て)はほとんど利幅がとれなくなる現象 口角を上げた口の形にみえることからそう呼ばれる
  • ドイツは2面作戦 従来型 ダイムラーBMW
  • モジュラー型 フォルクスワーゲンボッシュ、コンチネンタル
  • コンチネンタルはマイナーなタイヤメーカーだった。いつのまにか買収でモジュラーメーカとなる
  • 日本ならデンソー
  • メカトロニクスの分野は、見える化しにくいアナログ的なノウハウがたくさん詰まっている。製品を分解したからと言って、量産ベースで同じものが作れるわけでないというところが、メカトロニクスの産業障壁になっている
  • 中国はドローン止まり
  • 日本企業に問われるのは、割り切れるかどうか、捨てるべきものを捨てられるかどうか、日本企業がもっとも苦手としてきた捨てる経営ができるかどうかなのである
  • よそから持ってきて済むものは、自社開発をやめて外部から調達すると割り切れるかどうか。ライセンスを買ってきたり、人材を引き抜いたり、そうした技術を取り入れたりやり方は様々だ
  • 自前主義との戦いは人間本性との戦い
    • コマツ コムトラックス ロシアのベンチャーの技術 自動運転ダンプ、地形そ測定するドローン 米国のベンチャーの技術
    • コマツはおそらく、ソフトウエアやアルゴリズムの世界には自社固有の優位性がないとわかっているから、どんどん外部から買ってくればいいと考えているのではないか
  • M&Aがうまくいかないのは、買収した企業に対する社内ん反発ややっかみを抑えきれず、自分たちと同じ土俵に載せようとするからだ
  • 社内のやっかみをうまないために特区は海外にあったほうが安全だ
  • 向こうのテック系ベンチャーに日本式の整理整頓を強要するな
  • ソフトウエアアルゴリズムの世界はスピード勝負なので、いかに高速に失敗できるかにかかっている
  • ローカル型産業こそがリアルで、シリアスな世界のビジネスの極地 小売、飲食、宿泊、運輸、物流、建設、医療、介護、農業といった地域密着型の産業群は、まさにリアルな人間がリアルな現場において対面型で財やサービスを提供する、最もリアルなビジネスばかり
  • デジタル革命の波が押し寄せても、生身の人間や現物で構成されるリアルな世界はどこまで行ってもリアルだ
  • 個別企業の戦略としても、お互いに思いっきり差別化していかないと、共倒れの危険がある。個別企業としてもレッドオーシャンでの消耗戦を回避できるという意味で正しい。「稼ぐ力」をもっとも減殺するのは、何と言っても競争、特に過当競争状況なのだ
  • ゲゼルシャフト的 機能的組織、利益集団
  • ゲマインシャフト的 共同体的組織、ムラ社会
  • 日本人が変わるときは諦めた時
  • 我慢して、我慢して、我慢しきれなくなったら、一斉に変わる
  • ダサい日本の企業を受けに行くのはイマイチな東大生が多い
  • テキストベースでAIに最初に置き換わるのは報道だ
  • 半沢直樹は権力闘争をしているだけ、「住友銀行秘史」「バブル」を読んでも、出てくるのは本質的な改革を先送りするためのダーティ・ワークと権力闘争で、これだけ優秀な人たちが収益と関係ないことばかりやっていれば、日本経済が衰退するのも、あるいみ当然なのかもしれない
  • ソフトバンク 3兆円でARM買収 生産設備はまったく持たず、設計に特化した開始 人的資本が企業価値の大半をしめる つまり、アームというブランドらライセンスに価値があるのではなく、それを生み出す3000人のエンジニアに価値があるのであって、個人的には、純粋に人的資本の会社をあれだけ大枚をはたいて買う意味がわからない。
  • それだけお金があるのであれば、優秀なエンジニアを全員引き抜けばいいのだ
  • 人に投資するのであれば、企業買収よりも引き抜きのほうが効果的

#5

  • 「未来」を変えるられるのは「今」だけ
  • 公債費分の4割の歳出削減=医療年金といった社会保障+公共事業をゼロにする
  • 過去の例では社会保障を削減すると大量の人がなくなる ロシア、ギリシャ
  • 日本が世界最高の高齢化率 出生率の低下、つまり少子化
  • 育児にかかる経済的負担の軽減(子育て世代向けの大幅な減税給付)、公的保育サービスの拡充は改善の余地あり 少子化対策
  • 財政問題の大きな原因の一つが高齢化 無駄な公共事業よりも多くの税金が年金医療介護という高齢化に費やされている
  • 貧困対策 歴史に学ぶと
  • 貧困者への救済を行わなければ、生活できない国民は治安を脅かし、その社会コストはしばしば社会保障費よりも高くついた
  • 列島処遇の原則にもとづき刑務所のような施設をつくっても、貧困者に逃げられてまた治安が脅かされるし、管理コストが何倍も高くついた
  • 生活に必要なお金と賃金の差額を税金から扶助すると、企業側の濫用(低賃金化)を招き、労働生産性が下がり、増税によって貧困者がむしろ増加した
  • 病気や失業という貧困に転ずるリスクを防ぎ、貴重な国の労働力として活用しようというのが社会保険の考えかた
  • 幼児教育はお買い得な投資 鍵になるのはIQよりも非認知能力
  • プログラムを受けた参加者は、6歳時点でのIQが高く、19歳時点での留年や中退を経験のリスクが低い、27歳時点で自分の家をもっている確率が高く、生活保護受給経験率が低い。さらに40歳時点で逮捕歴が少なく、所得も有職率も貯蓄率も高かった
  • そもそもの原因である非認知能力を、幼少期教育というきわめて低コストで堅実な投資で鍛えておいたほうがはるかに賢明ではなかろうか
  • 貧困者が生まれてしまうとその解消のためには大きなコストがかかる。そこで必要なのが貧困となる原因へのアプローチ
  • 医療費の内訳
    • 過半数は65歳以上 1/3は75歳以上
  • 1954年 2000億円 H25 40兆円 200倍
  • インフレや経済成長を加味して、国民所得に占める割合で考える時3倍以上に増えている
  • 90-2000まで後期高齢者の医療費は倍、人口は3割増えた 一人あたりにかかる医療費が増えたと想定される
  • 一橋大小塩ら 1980-2010 37%が高齢化 45%が一人あたりの医療費の増大による
  • 高齢者医療費 23兆のうち2兆が終末期
  • 医療技術評価 health technology assessment 医療のコスパ
  • 1990 カナダ、オーストラリア
  • 1999 イギリス NICE 国立医療技術評価機構
  • 2008 韓国 その後アジア
  • イギリス 徹底的に無駄を省いた上での医療費無料化
  • 2012 中医協 費用対効果評価専門部会 当事者(医師)が入っているので進んでいない
  • 終末期のケアを医療の場から介護の場に変えてもコスト減につながっていないことが推測される
  • 高齢者の歯をきちんと治療して、転倒予防を行って、友人と会わせたり、会合に参加させたり、さらには仕事や家事に従事させることで、介護状態に陥ることをある程度予防できると考えることができるであろう
  • 介護が必要となるまでの期間を後ろ倒しにできたとしても、男性ならば9年ほど、あるいは女性ならば12年ほど、同じだけの介護が結局は必要になる
  • 仕事をしている人は、要介護になるリスクが低減する上、介護が必要になるまでの期間を先延ばしすることでコストではなく生産が上がる。5年分長く働いてもらって税金と保険料を納めてもらい、しかも本人が高い幸福度を示してくれたのであれば、誰も損をしない話でないだろうか
  • 安倍内閣の日本再興戦略において医療技術評価の本格導入は進もうとしている
  • 高齢者の就労率を上げる
  • 働く高齢者の方が、健康で幸福度が高いだけでなく、介護を必要とするリスクが低い。彼らが生み出す税金や経済効果が、医療費などのコストを上回るようであれば、それこそが社会保障財源適正化に向けての大きな一歩になることが予想される
  • ランダム化比較試験による検証をすすめよう
  • 人口減少するから経済成長しないという考え方は、様々な実証データによって否定されている

単純な人口増はむしろ経済成長の阻害因子

  • 経済成長ににおいて重要なのは人的資本 すなわち教育と研究開発

おまけ小説から2冊

ナイルパーチの女子会

ナイルパーチの女子会

佐藤優氏のすすめから読んでみた

  • 自分の生活を不特定多数にさらし、切り売りするというのがブロガーの本質なのかもしれない
  • この世界でなによりも価値があるのは、共感だ、と思う
  • この女は一生ひとりで、見たいものだけを見るために現実を投げ倒し、そのせいで周囲に疎まれ続けるのだろう
  • でも、そうやって自分の評価を他人に委ねたせいで、私はいちばん大事なものを失っちゃんたんだと思う
  • 言わなくても感じ取っているともらえると思い込み、なにもしないでいることほど傲慢なことはない
  • この世界には、どうしても分かり合えない相手がいるということを翔子は、今、身をもって感じている
  • そうね、人の気持を理解するってとてもむずかしいわ。でも、栄利子ちゃん、ママみたいに何も言わなくても全部わかてくれる女の人なんて、いつもにこにこして自分から動いてくれる女の人なんて、この世の中どこにも居ないのよ。それをちゃんと教えてあげればよかったよね。友達は家族ではないのよ

マチネの終わりに

マチネの終わりに

  • 「人は、変えられるのは未来だけだと思いこんでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去はそれくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」 p29
  • 人に決断を促すのは、明るい未来や積極的な夢であるより、遥かにむしろ、何もしないで現状にとどまり続けることの不安だった。 p150
  • 宮本武蔵 「仏神は貴し、仏神をたのまず」
  • アラン 「尊ばれないことは忘れ去られる。これらは、我等人類の最も美しい掟の一つだ」
  • 自由意志というのは、未来に対してはなくてはならない希望だ。自分には、何かが出来るはずだと、人間は信じる必要がある。そうだね?しかし、洋子、だからこそ、過去に対しては悔恨となる。何かできたはずではなかったか、と。運命論の方が、慰めになることもある p368
  • 現在はだから、過去と未来の矛盾そのものね p396
  • バッハ やっぱり、30年戦争の後の音楽なんだなって、すごく感じた

2016年の5冊 http://ucymtr.hatenablog.com/entry/2016/12/31/203252
2015年の10冊-1 http://d.hatena.ne.jp/ucymtr/20151229
2015年の10冊-2 http://d.hatena.ne.jp/ucymtr/20151230
2014年の10冊-1 http://d.hatena.ne.jp/ucymtr/20150101
2014年の10冊-2 http://d.hatena.ne.jp/ucymtr/20150102
2013年の10冊-1 http://d.hatena.ne.jp/ucymtr/20131227
2013年の10冊-2 http://d.hatena.ne.jp/ucymtr/20131228
2012年の10冊-1 http://d.hatena.ne.jp/ucymtr/20121223
2012年の10冊-2 http://d.hatena.ne.jp/ucymtr/20121224
2011年の10冊-1 http://d.hatena.ne.jp/ucymtr/20120102
2011年の10冊-2 http://d.hatena.ne.jp/ucymtr/20120103