ニューロリハビリテーション

大住倫弘、森岡周 ニューロリハビリテーション 2016;204;40-44

  • 末梢神経に損傷が生じるとS1,M1,補足運動野の活動が徐々に変容。これらの脳領域は感覚運動ループを構成する重要な脳領域
  • ひとたび患肢を使用しないことの学習(学習性不使用 learned non-use)が生じると、感覚運動ループの変容に薄謝がかかり、さらなる悪循環に陥る
  • リハ治療で積極的にトレーニングしていくことによって悪循環を断つことができる
  • 実際の臨床現場においても、積極的に患肢を動かすことが、末梢神経損傷症例の変容した感覚運動ループに可塑的変化をもたらすことが想定される
  • リハによる介入は対象者によって意義のある目標を設定することによってよりよい効果をもたらすことも明らかにされている
  • 末梢神経障害が生じると感覚運動機能そのものの障害だけでなく、運動を脳内でシミュレートするプロセスにも異常がおこってしまう
  • これに対するアプローチで代表的なものは、運動イメージを用いたリハである
  • VR systemの特徴を利用。あたかも手足を動かしているような経験をすることができる
  • tDCS transcranial direct curent stimulation
  • 運動野にtDCS刺激を与えながら運動イメージをしたほうが皮質脊髄路の興奮性が高まることも報告されている
  • 学習性不使用が進行してしまって患肢の動かし方さえ忘れてしまった症例に対しては、VR systemはtDCSなどを併用しながら運動イメージを生成するリハ介入を実施し、それと併せて積極的に患肢を動かすことが望ましいと考えられる