身体表現性障害患者への対応

佐藤寿一 身体表現性障害患者への対応 現代医学 2015;63(2):147-148

  • 身体表現性障害への対応のポイントは、1共感的態度を示す、2身体的に異常がないことを保証する、3症状が表れる機序(病態)を説明する、4症状と付き合う各画が必要であることを説明する、5外来診療の目的を患者と共有することである
  • 主たる病気が感染症から生活習慣病へと移り、病気に対しては”治す”より”付き合う”といったアプローチが必要とされる場合が増えてきた。それにともない、医師の役割も、“病気を治してくれる者”から、“病気と付き合うことをサポートしてくれる者”へと変わり、医師のコミュニケーション能力や患者ー医師間の信頼関係がより重要視されるようになってきた
  • 身体的には異常がなくても辛いのは同じ 共感的態度を示す
  • 症状と付き合う覚悟を持っていただく
    • もし症状がなくなれば、何をやりたいのか、何をやらなければならないのかを患者に尋ねる。そして、症状を抱えた状態でも、それらのことを少しでも実行し、どれだけ実行できたかに関心を向けることが大切で、それにより症状に囚われることから徐々に解放され、症状が軽減していく可能性があることを説明する
  • 医療の力で症状を取り除くことはできない
    • 症状がどうなったかよりもそのような行動がとれているかどうかの方が重要であることを説明する
  • 外来診療の目的を患者と共有すること